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2011/09/23

久々に『困った相談』をご紹介したいと思います。記憶が確かなら、多分パート2です。

レインボーサポートネットには、LGBTの恋愛に関するご相談も時折寄せられます。過去のご相談の経験則などでお答えできるものについては、回答をしていますが、全く歯が立たないものもあります。

「好意を寄せている親しい友人がいるのですが、向こうも私に対して好意があるように思います。どうやったら恋人として付き合えるようになりますか?(大学生・レズビアン)」

だいたい、こんな感じです。さて、読者のあなたならどう回答されますか?

まず、前提として聞いておかなければならないことがいくつかありますね。

  1. レズビアンであることを相手に対してカミングアウトしているか?
  2. 相手はレズビアンなのか?ヘテロセクシャル(異性愛者)なのか?不明なのか?
  3. 相手から感じ取れる好意とは具体的にどういうものか?

こういう悩みというのは、セクシャリティを問わず存在するでしょう。但し、ゲイやレズビアンの場合、好意を寄せる相手がヘテロセクシャル(異性愛者)であれば、相手からするとそもそもの恋愛の対象ではない友人としての親密さが仇になってしまったような感があるわけで、告白されると一気に疎遠になってしまったりして、友情すら断ち切れてしまう場合が少なくありません。

LGBTの皆さんにとって、友人として親しい関係になっているヘテロセクシャルに愛の告白をするというのは、相当な覚悟が必要です。友人としてとてもいい人だし、趣味も合うし、きっと自分の事を受け入れてくれると思っていたら、逆に思いっきり反発をされて、大変辛い思いをしたという方が多くいらっしゃいます。

恋愛的な告白に限らず、ヘテロセクシャルの親友に、LGBTであることをカミングアウトしたら、相手から友人関係自体を断絶されたというケースもあります。

カミングアウトする側の立場のことはよく語られますが、カミングアウトされる側の立場の事を考えることも重要です。

それまで親友だと思って付き合っていた相手が、ある日突然、愛の告白をしてきたら…

その先にマンガやドラマのような展開になるケースは、滅多にない気がします。

大多数のヘテロセクシャル(異性愛者)の愛の告白は、「当たって砕けろ!!」精神で失敗してもある程度美化されますが、LGBTからヘテロセクシャルへの愛の告白は、当たって砕けろ!!とは簡単に言えないのです。

中村中の曲に「友達の詩」という曲がありますね。まさにこういう状態や心境を表した曲だと思います。

色々考えていると、LGBTはLGBT同士で恋愛すれば問題は解決するではないか!!ということを思いついた事があります。いや、よく考えると、例えば同性同士で恋愛するようになった段階で、それはもうヘテロセクシャルとは言えないわけで、という事は、そもそもヘテロセクシャルとの恋愛を想定すること自体がナンセンスなのか、LGBTからヘテロセクシャルへの愛の告白が成功するパターンというのは、ヘテロセクシャルだと思って日常生活をしている人に対して、LGBTであることを気付かせてあげたということなのか…

そもそも、LGBTとヘテロセクシャル(異性愛者)との恋愛は成立するのかという大命題に突き当たるのです。

性的指向が違う者同士が、果たして恋愛関係になれるのでしょうか?性的関係がなければ可能なのか?いやしかしそれは、親友とどこが違うのか?

LGBTとひと括りにしていますが、LG(同性愛者)の場合と、B(両性愛者)、T(トランスジェンダー)の場合では、それぞれ事情が異なってくるのも事実です。

結局、セクシャリティの分類というのは、そこを起点に考えてしまうと、理屈が合わない事態も生じるということです。ノンセクシャルと主張する人が増えてきているのも理解できます。

2011/09/23 12:01 | nakahashi | No Comments