今回は、中橋とLGBT向けアダルトショップ経営者のKさんとの対談です。
中「ありきたりですが、景気はどうですか?」
K「ありきたりな返事ですが(笑)、厳しいですね~。雑誌もDVDも売れ行きが鈍いです」
中「やはり不景気のせいでしょうか?」
K「それもあるでしょうが、時代の流れといった要素も多いでしょうね」
中「時代の流れですか?」
K「昔…といっても、ほんの10年くらい前までは、特にゲイの人たちは、ゲイ雑誌で業界の情報をつかんでたんだけど、最近はインターネットが普及したおかげで、そういう媒体としての機能を雑誌に求めなくなったんだよね」
中「ゲイ雑誌で業界の情報って何ですか?」
K「まず、出会いね。文通欄みたいなのがあってね、そこで出会うわけ。そして、地域別のインデックスみたいな感じで、飲み屋とかゲイ向けの風俗店の情報なんかもあって、DVD…いや当時はビデオだね(苦笑)のグラビア広告があって、とにかく情報の宝庫で、毎月の新刊が待ち遠しかったものなんですよ」
中「今はもう、そういう役割を果たさないのですか?」
K「今でもそういう役割も担えるんだろうけど、インターネットに利用者が流れちゃって、売れないんだよね。昔みたいには。。」
中「電子書籍とかの時代ですしね。ゲイ向けの雑誌に限った事ではないと思いますが、出版業界は厳しいんですね」
K「電子化は、DVDにも影響してますよ。今や全盛は、インターネットからのダウンロードによる動画販売だからね」
中「なるほど。そうでしょうね。私の顧客の動画配信会社さんはここ数年でビックリするくらい成長しましたよ」
K「DVDが好きな購買層もいるので、完全にダメというわけではないけれど、将来的に良い展望はなかなか持てないね」
中「アダルトグッズはどうですか?」
K「アダルトグッズは昔より売れてますよ。最近は、そっちの方もハイテクでね(笑)昔に比べて質の良い商品がたくさんあって、バラエティーに富んでますよ」
中「そちらの方も進歩しているのですね」
K「時代の移り変わりと共に、売れる商品も変わるし、客層も幅広くなって、業界の間口自体は広がったように思いますよ。その分、競争も激しいですけどね。」
中「確かにアダルト商品を売るお店が増えているように思いますね。風俗街にある小さな商店というのは少なくなったのかもしれませんが、郊外に大型店が建ってたりしますね。でも、LGBT向けではないんでしょうね」
K「いやいや、それがそうではないんですよ。郊外の大型チェーン店なんかで、LGBT向けの商品も扱ってる所が増えてるんですよ。もちろん、専門店並みというわけではないけれど、主要ゲイビデオメーカーの作品は売っていたりするわけです」
中「へぇ~。競争相手が増えて困りますね?」
K「そうです。困ります(焦)でも、専門店としては、そういう大型店では手に入らないような、マニアックなものを取り揃えたり、グッズに関しては海外に仕入れに行ったりして、研究を重ねていますよ」
中「経営努力をされているのですね。アダルトグッズと言えども、商品開発から販売まで、様々な苦労があるわけですね」
K「商売ですからね。いたって真剣ですよ」
中「今後もLGBTの皆さんのリクエストに応えるお店として頑張って下さい」
K「ありがとうございます。がんばります」