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2011/07/01

米国ニューヨーク州議会は、6月24日に同性同士の結婚を認める法案を可決し、近々同州において同性婚が可能となりました。

これにより米国では、ニューヨーク州、バーモント州、ニュー・ハンプシャー州、コネティカット州、マサチューセッツ州、アイオワ州、ワシントンD.C.が、同性婚可能な地域となりました。

次期大統領選挙では、米国全体(米連邦全体)で同性婚を容認するか否かが争点の一つになるそうで、今後の世論の動向などが注目されます。

さて、今回のニューヨーク州での同性婚法制化の決定に、米国の様々な著名人たちが喜びや賞賛のメッセージを寄せていました。

ちょうど来日中のレディー・ガガをはじめ、世界中で名の知れた著名人たちが、自身のセクシャリティーに関係なくポジティブなコメントを発表しています。日頃からゲイコミュニティに対してフレンドリーな態度を取り、時にはそのテイストを生かしたビジュアルを取り入れるなどしている彼らにとって、おそらく身近な存在であるLGBTの人々の喜ばしい出来事は歓迎すべきことだったのだろうと推測されます。リップサービスもあるかもしれませんが、心底それを喜んでいると思われるような方も多くいて、人間としての自由や平等の観念を強く持っていることがうかがわれました。

映画「MILK」にあったように、米国でもLGBTに対する差別や偏見は激烈な時代がありました。当事者が団結し努力して、徐々に権利を勝ち取り、現在の同性婚制度の法制化までこぎつけていると言えるでしょう。

米国のLGBTの権利擁護運動は、長い歴史と数々の衝突と闘争の軌跡があります。それゆえに、今現在勝ち取られている彼らの権利には相当な重みがあります。

それでは我が国日本ではどうでしょうか?

LGBT当事者のよる大規模な権利擁護運動が恒常的に行われているということは聞きません。年に数回行われる都市部でのパレードや、NPOや学生団体が主催するLGBTの権利擁護のための学習会やセミナーなど、散発的に、方々で行われています。

権利擁護運動に関して「受け身」的な当事者がほとんどの場合、おそらく将来にわたっても何も変わらないのではないでしょうか?

また、一部の旗振り役の人が、ずっと旗を振っていても、それはやがて疲れ果てて、ボロボロになってしまいます。時々交代する人や、力強く支えてあげる人が必要になります。また、大勢で大きな旗を振る必要もあります。

結局のところ、当事者の努力なしに、権利を勝ち取ることはできません。

外国から入ってくるLGBT当事者の権利獲得のニュースが、日本のLGBT当事者の胸にどのように響いているのか、私はとても興味があります。

何かにつけて欧米追随型の我が国ですが、LGBTの権利の法制化について、今後数十年のうちに劇的な変化が起こるのでしょうか?

2011/07/01 12:01 | nakahashi | No Comments