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コラムを書く前にみなさんに質問。
みなさんは、日本にある8つの「海の無い」県、言えますか?
先日、サンタモニカ近くのお寿司屋さんに行ったところ、自分の出身地が栃木である、ということをマスターに伝えたところ、突然
「では、日本には海に面していない県が7つあります!それはどこでしょう!はい、答えて!」
と言われ、答えに窮して赤っ恥をかいたワタシ。。。
でも、マスター自身、7つだと思い込んでいたところ、8つだということが分かり、最終的にはウェイトレスのおねーさんまで巻き込んで大論争に。
なんだかんだの論争で最終的に8つの県全て出そろったわけですが、そんなの、知らないよ。笑
愛国心は人並み以上に持ち合わせている私ですが、海の無い県なんて、栃木と群馬くらいしかパッと出て来ないよ。。。(他の海無し県のみなさま、すみません!)
ということで、8つ全部出て来ないそこのアナタ。是非ウィキってみてください。
さて、話は本題にもどって。
先月末、初めてダウンタウンにあるロサンゼルス・フィルハーモニーの本拠地、ディズニーホールでLAフィルのコンサートに行ってまいりました。
私のLA生活も、もう5年が経とうとしているのに、何故かLAフィルを聴きに行った事がこれまでなかったんですねー。ボストン在住時代は、お金と時間さえあれば、というくらい、足繁くボストン・シンフォニーのコンサートに行っていたのに。
なかなか面白いデザインでしょ。
プログラムはブラームスの3番とポーランドの現代作曲家、ヘンリク・グレツキのシンフォニー3番。
先月からLAシンフォニーはブラームス月間を催していて、1番から6番まで、1週間ごとに演奏していく、というスタイル。本当は1番を聴きたかったのだけど、気づいた時には既に遅し。チケットが取れなかったので、2番か3番にしよう、ということに。2番と3番なら3番の方が当然(私は)大好きなので、3番を聴きにいくことに決定。
指揮者のグスタボくんは新進気鋭の若い指揮者で、2年くらい前に就任したのかな。彼が来た時は、よく話題になったものです。ヨーロッパ出身の若手ならなんてこたぁないのだけど、彼は南米出身の上、LAに来た時はまだ20代後半になったばかり。
LAフィルって、そんなに悪くないオケなのだけど、歴史の浅いアメリカでもいわゆる「老舗」オーケストラの存在はあって、ボストンもそうだし、ニューヨークもそう。フィラデルフィア、クリーブランドなんかも有名だし、小沢征爾もボストンの他にシカゴでも指揮をしてたり。でも、アメリカの中でも特に歴史の浅いLAのクラシック事情っていうのは、上記の老舗オケと比べるとあんまり陽の目を見ていない、というか、クラシック音楽を勉強する学生もたいていは東側に行くし、日本人の場合は決まってヨーロッパに行く場合が多かったりする。
そんな前評判を、5年位前までは聞いていたのだけど、グスタボくんが現れたこの近年、NYに住む友達ですら「最近LAフィルがすごく良いらしいよ」と言ってきたり。ドイツに住む友人の話でも「前にLAフィルがケルンでコンサートをやったんだけど、チケット完売で、ラッシュチケットですら取れなかった」という。
グスタボの魅力&威力発揮、といったところでしょうか。
こちらのローカルコミュ雑誌にも「今日も彼のカーリーヘアがジャンプする」(笑)みたいな見出しで4ページくらいグスタボの特集をしていたり、LAフィルが新境地を迎えている事は間違いない、という印象。
そう、こんな感じ。笑
実際、コンサートでは演奏前にグスタボくん、マイク片手に演説始めちゃったもんね。w
本当はグレツキのシンフォニーを演奏したあとに、ブラ3を演奏するってプログラムだったんだけど、曲を入れ替えて、ブラ3から演奏しまーす、とのこと。そして、グレツキのシンフォニーは音楽家にとってはとても有名だけれど、まだまだ世間的には知名度が低く、暗く厳かな曲なので、お願いだから観客のみなさん、怒って声を出したりしないでね、とかなんとかジョークまで交えて挨拶してました。
ブラームスの3番はご存知の名曲ですが、ブラームスにしては1番と比べてとても穏やかで上品な作り。でも、私はこの3番が大好きで、沢山のブラームス「節」というか、彼のフレーバーが沢山入っていて、とても熱中して聴けました。でも、多くの観客が期待したであろう、グスタボくんのジャンピングアップ、エモーショナル(?)コンダクティングの姿は最後まで見られず、それもあってか、3楽章前後は見渡せる限りの観客の多くが首を上下に振って居眠り三昧の様子でした。w
でもねー、みんな寝てるけど、客席はほぼ満席。ディズニーホールってそんなに小さなコンサートホールではないから、そこそこの人数でしたよ。(寝てる人たくさんいたけどサ。)
音響はともかく、なかなか素敵なホールでした。
先月はフルオケのcopyistの仕事をしていたこともあって、楽器編成も再確認しながらどういう場面でどんな楽器を使っているか、かなり敏感にチェックできたし、ブラームスはそういう「美味しいオーケストレーション」を熟知していた人だから、そんなことも考えたりして、私にとっては本当に楽しい時間となりました。
しかも、グスタボくんのオケのセットアップは、めずらしく通常と反対。
ホールの音響の関係もあるのかもしれないけど、オケを正面に、左側からファーストヴァイオリン、チェロ、その後ろにコントラバス、中央から右手がヴィオラ、右側がセカンドヴァイオリン、という形態で、この数年リアルにオケを見て来なかった私にとっては初めて見るオケセッティングで、これにもちょっと感動。
グレツキの3番も、めずらしいことにソプラノボーカルが入る形態で、残念ながら3階から聴いていた私にはあまりオケの音も、ソプラノも響いてこなかったけど、なかなか面白かったです。
ブラ3を聴いている時、ふと、高校生の時、自分は他の科目の必修があったから取れなかったけど、その必修の授業をサボってまで「お忍び」でブラームスの音楽理論の授業を聞きにいったのを思い出した。笑
あの時も確か3番のレクチャーだった。あの時から、3番3楽章のあの単純だけど切ないメロディーに惚れちゃってる私です。
でも良いね、たまにオケのコンサートに行くっていうのは。
長い間忘れてたオケの魅力をフワッと思い出させてくれたひとときでした。
夏には大好きなヒラリー・ハーンも来るみたいだし、お金貯めて、頻繁に聴きに行こうかな。