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アートの世界では、作家の息子が作家で・・・といった世襲は珍しくなく、
そんなサラブレッドを羨ましいと思うもの。
でも気づいてみるとじぶんにも、「血」とまではいかずとも、そういった環境的要因はあったようです。
今回はそんなじぶんのアーティストとしてのルーツを、ご紹介します。
ところで、いま東京にてこの記事を書いています。
オランダより5月中旬に帰国しています。
今年の花粉症のシーズンが始まってしまったため、
「まずは被曝を避けないと・・・」と慌ててオランダを出てきました。
(ホソムギという、日本にはあまり生えていない牧草へのアレルギーです。)
「放射能だらけの日本に避難?!」
と周りからは驚かれましたけどね。
長期炎症による合併症(蓄膿・喘息)が悪化してしまったので、
いろんなことを休憩して、じっくり療養をしたいと思っています。
ちょうど帰国日程を祖母の納骨に合わせることができたので、
北海道に行って来ました。
北海道は、両親の故郷です。
親戚はほとんど北海道におり、幼い頃よりよく遊びに行っていました。
私自身は首都圏で生まれ育っていますが、そんなわけで北海道は第2の故郷。
いまでも家の中では北海道弁、外では東京弁です。
父方の叔母は、オートクチュールのファッション・デザイナーです。
67歳の今でも、札幌の自宅にアトリエを構え、そこにはお弟子さんが集まってきます。
叔母は(まだ)結婚していないため、子どももおらず、昔からずっと娘のように可愛がってもらいました。
叔母のアトリエに行っては、輸入ものの高価な生地の切れ端をもらい、
よくオモチャ代わりにして、リカちゃん人形に羽織ったりして遊んだものです。
(いまも素材には頑固にこだわるところがありますが、そんな他愛無い幼児体験から来てるのでしょうか。。。)
アトリエは、パリとかミラノとかのヨーロッパの気高い香りに満ちあふれています。
叔母が昔よくつけていたのは、シャネルNo.5。石鹸もシャネル。
その石鹸の匂いに惹かれ、わざわざ必要も無いのに手を洗ってたりもしていました。
私の成長期において最も影響を受けた人なのかもしれません。
大学生になってじぶんのお金で初めて買った香水も、シャネルNo.5でした。
ここでJunkstage読者のみなさまへ、PRです。
札幌近辺の方であれば、お気軽に「じぶんだけの服」のオーダーメードを相談してみてください。
ここだけの話ですが、そのへんのブランドもの既製服よりもずっとお得だと思います。設定のお値段が30年くらい変わってないらしいので・・・
(噂によると、飛行機代を払っても東京より安いとかで、東京からもお客さんがいらっしゃいます。)
洋裁教室、そして「内面からキレイになるための」ヨガ教室もやっています。
アトリエ PEPE & 洋子
札幌市西区西野1-1-7-5
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話を戻しますと、この叔母のお兄さん(私の父方の叔父)もちょっと変わった方です。札幌の高校の音楽の先生であり、作曲家でもあります。
先生という堅い仕事の傍ら、残りの時間とお金は全て趣味にかける人で、
じぶんでバスを買っては改造し、移動型サウンド・スタジオにしてしまうのです。
いまのバスは3代目か4代目。
北海道をバスでぶらっと旅しながら、オホーツクのサウンド・スケープを録音し、シンセサイザーで作曲するのです。
私が結婚したのが、似たような領域のオランダ人作曲家だったというオチも、
そんな人を身近に育ったせいなのか、なんなのか。
この叔父の奥様もまた、北海道でも著名な画家の娘であり、ピアノの先生(現役)です。
お父上から受け継いだ彼女の豊かな感性は、歳をとっても色褪せることが無く、
また彼女の兄弟にも音楽家が多く、
とにかくこの家の話を聞くたびにいつも「素敵だなあ」と思いながら育った記憶があります。
バスの写真は、数年前の祖父の7回忌のときのもの。法事の後みんなで、余市の海にバスで出かけました。帰って来たらBBQパーティーが続きます。
まだまだいます。アートなファミリー。
直接影響を受けたわけではありませんが、
母のイトコ達が現役ミュージシャンで、
ザ・キッパーズというバンドを兄弟でやっていて、札幌で活動し始めてからもうすぐ50年!
http://ja.wikipedia.org/wiki/ザ・キッパーズ
この前はじめて、ライブに行ってきました。
さすが、昔は渡辺プロにも属していたというだけのことはあります。
しかも、日曜以外の毎晩ライブを、約50年も続けているんです!
「俺っていったいいつ定年退職するんだろう」
なんてゲラゲラ笑う67歳です。
北海道へお越しの際は、ぜひ THE KIPPERS のバーへ。
めちゃめちゃかっこいいオジサン達のライブにより、元気が出ます。
THE KIPPERS
札幌市中央区南5条西3丁目 ニューススキノビル2F
011-512-7887
ライブは毎晩、20:30, 21:30, 22:30, 23:30 の4回
日曜休
補足しますと、父と母はアートからは縁遠い、いたって普通の人です。
私のこういう「イバラの道」的な生き方を、内心ハラハラ思っているかもしれません。
けれどもけっきょく黙認してくれているのは、
北海道の懐深い大自然と、
そこにルーツを持つ父母の人間的な感覚と感性と、
素敵なファミリーのおかげなのかもしれませんね。