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2016/09/08

薪火焙煎コーヒー

 

このコーヒーメーカーをご存知ですか?

シエナ県の小さな工場なのですが、

カッフェ ディ オルツォと呼ばれる麦コーヒーでは

結構有名なメーカーです。

案外うちから近くなんです。

と言う事で、コーヒー焙煎工場見学に行って来ました。

 

コーヒー焙煎工場見学

 

おじいさんの代から使っている、自慢の機械の横で、

ブラジル産、インド産、南アメリカ産のブレンドを秤で量っています。

前にとうちゃんが、

アレッツォで行った大きなコーヒー工場では、

完全防備で遠くからの見学だったそうですが、

今回はとってもイージーです。

 

緑のコーヒー

 

これがまだ緑の状態のコーヒー。

ただの豆ですね。

何故、わざわざコーヒー見学に来たかと言うと、

 

薪火焙煎コーヒー

 

こちら、薪の火で焙煎しているのです。

 

コーヒー焙煎工場

 

ガスや電気、コンピューターで温度管理じゃないんですよ。

ハンドルもレバーもすべてが手動。

朝早くから薪を入れ続け、釜全体が300度に達するまでです。

今は夏なので暑い〜

だけどこのクラウディオさん、楽しそう。

「俺、金持ちにはなれないけど、

自信もってやってるよ。

町工場と大企業の工場とは仕事は全然違う。

こうやって火でやると、温度管理はカンが頼り、

でも湿度を残して重くしたりなんかしないよ。

美味しくないもんね。」

なるほど、そんなからくりがあるのね、、、

 

焙煎具合

 

緑の豆から煎り上がる直前の色の変化と大きさの変化。

焙煎途中、小さなスコップで中から取り出して見せてくれます。

「パンみたいなもんだ。

科学的にはわからないけど、

パンの酵母が焼いている間に膨らむみたいに、

豆も薪の火だとゆっくりと膨らむんだ」

と、小麦の匂いがプーンとするかまどパンに対して、

工場生産のパンの違いと掛け合わせ、

コーヒーの違いを懇々と。

 

コーヒー焙煎

 

今だ!と一気に流れ出た豆は、

こうやってグルグルと風に当たって冷却されます。

みなさん、

香ばしいコーヒーの香り、想像出来ますか?

 

実はほとんど香りしないんです。

冷めて、ここから72時間置いて。

「本当は72時間置いてから挽いて、香りを出すんだけど、

今焙煎したのを飲んでみるかい?」

とそのまま淹れてくれました。

 

お味は???

 

なんと言えば良いのでしょうか、

初めてビオワインを飲んだ時のような、

初めてオーガニックラーメンを食べた時のような、、、

喉から戻るエグさやしつこい酸っぱさがなく、

あっさりと香ばしい。

一瞬物足りなさを感じたかと思えば、

後から鼻の奥に香りが残っている。

今まで飲んでいたのは何だったんだ???

 

「どうだ?」とクラウディオさん。

「俺は添加物も入れないし、

保存料やガスも、真空パックもしない。

開けたら冷蔵庫にしまって、早く飲むんだよ。

真空パックはよくない、

湿度を持った豆が一気に空気に触れてしまうからね。」

と。

あと、抽出時間が長いほど、

カフェインが増えるそうで、

エスプレッソを好むイタリア人が、

一日に何回もコーヒーを楽しむのも納得ですね。

少し前まで、

イタリア中でここともう1軒、

たったの2軒しか残っていなかった薪での焙煎工場、

今では若い人が見直して少しずつ増えて来ているそうです。

 

朝の8時からの見学、

終わればすっかりお昼の時間。

 

川の冷蔵庫

 

スイカを買ってきて、木からイチジクを採って川でひんやり。

 

たき火

 

もう少し火がおさまれば、

サルシッチャとパンを焼きます。

ここも薪火!

 

ターザン遊び

 

パクパクッとパニーノをほおばった子供達、

あとはターザン遊びに夢中です。

そして、

 

ヘーゼルナッツとサンシュユ

 

おやつにと採って来てくれたのが、

野生のヘーゼルナッツと西洋サンシュユという実。

この赤い実、

「美味しそう!」とパクッと口に入れた私、

酸っぱさにギューーっと顔がゆがみ、

それを見た子供達はゲラゲラ。

子供って、なんでこんなに酸っぱいものが食べれるんでしょうね。

もう少し黒みが帯びるまでかあちゃんは待ちますよ!

 

さあ楽しい一日が終わり、

帰ろうと車を開けた途端、

フワァァァっとコーヒーの香りが〜〜〜

お土産にと頂いた1パックのコーヒーからこんなに香りが!!

 

朝だからと飲むコーヒーではなく、

色んなストーリーを含んだ1杯のコーヒーは、

味、香りだけではない幸せを与えてくれますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016/09/08 06:50 | emiko | No Comments