リーダーのあり方をスポーツで考える
プレイヤーとかリーダーという概念は
スポーツ界から来た言葉です。
一般的にはよいプレイヤーと優れたリーダーは違う
といわれています。
私もその通りだと思います。
プレイヤーとして独自のやり方でパフォーマンスを引き出して
成功を収めた選手がコーチになったとき、
同じようにその他のプレイヤーのパフォーマンスを引き出して
伸ばしていけるのかというと疑問があるからです。
しかし、心の質を重んじることを
プレイヤーの時から実践してきたリーダーは、
そのメソッドを他者にも活かすことができるでしょう。
この視点で私は真に優れたプレイヤーと
よいリーダーはつながると思っています。
さらには、その優れたプレイヤーは
必ずしも結果だけを追い求めていません。
「するべきこと」を質高くするというパフォーマンスや
心の原則を熟知した上でプレイヤーとして活躍してきた人は、
そのメソッドを他者にも活かすことの価値がわかっています。
つまり、ふたたび優れたリーダーとなって
強いチームや延びる選手を育てる可能性が高いのです。
ところが過去にプレイヤーであったかどうかの如何に関わらず、
心の状態を重んじることなくリーダーとなった人は
残念ながら素晴らしいリーダーになることは難しいと言わざるを得ません。
真のリーダーとは
パフォーマンスは“何を”“どんな心の状態”で行うのか、
すなわち“内容”と“質”でできていることを知り抜いているので、
周り人やプレイヤーのパフォーマンスを引き出すために
この両者に働きかけているのです。
何をするかは指示、どんな心の状態かは支援と言います。
優れたリーダーは間違いなく
指示と支援のバランスが素晴らしいのです。
厳しく具体的に明確な指示がある一方で、
心の状態を重んじた支援の接し方を
常にバランスよく実行しているのです。
そこには体罰や指示過多の指導は存在しませんし、
心だけのアプローチでもなく
明確に指示することでパフォーマンスを伸ばしているのです。
指示と支援のバランスの良い指導者は
スポーツの世界はもちろん、
社会の中でも望まれているのではないでしょうか?
スポーツドクター 辻秀一

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