« “変” を恐れるな | Home | ★★祝!! 10周年★★ »
こんにちは。根本歯科室の根本です。
今回も若干動物がらみの話になります。
経験上、セキセイインコは特に厳しくしつけなくても、極端に人に警戒するタイプでもない限り、軽く人に慣れていてお互いの距離感をつかめてさえいれば、さほど大きな問題は生じません。
むしろ手を怖がらないように人間側が欲望を我慢することと、放鳥中の安全管理が重点になります。
いわばペットとして半完成形といえます。
また私の実家では金魚を飼っていますが、エサと藻を与えるだけがほぼすべてです。
(まれに水槽の掃除もしている)
手は実質的にかからないといっても過言ではなく、ほぼ完成形です。
金魚のしつけなど、当然ですが、聞いたことがありません。
このように手がかからないものほど、完成形に近いと定義します。
とすると犬は、完成形とは真逆です。
しつけない犬など、野蛮で卑俗かつ危険な獣でしかありません。
人間と遜色ない大便(糞)や小便(尿)を所構わず垂れ流す
大便を食べ(食糞)、その口で周辺や人間を舐め回す
誰彼構わず吠える
誰彼構わず噛み付く
様々な物をかじり、破壊する
これではお話になりません。
漠然とTVなどを見て(子犬カワイイ)と思っているあなたも、他者にリビングの無垢のフローリングに放尿脱糞でもされたら、よく理解、というか発狂できることでしょう。
いわば犬はぜんぜん未完成形。
おみちょりとテオを見ていると、つくづくそう思います。
テオには申し訳ないのですが、本当に面倒です。
うちの奴の問題行動で気になっていた例をひとつ挙げてみます。
◆ 犬についての見解
散歩です。
たかが散歩と軽く考えている人が多いと思いますが、悪い散歩を繰り返していると、しつけ的に犬の問題行動を助長する結果になったりするので、舐めてかかれません。
「犬が人の前を歩く」
最初は犬の散歩とはそういうものだと思っていました。
これが悪いことだとは全く思っていませんでした。
20~30年ほど前は盆暮れなどに北茨城の父の実家にお邪魔していましたが、そこで飼っていた柴犬の室内犬の散歩をたまに頼まれたりしていました。
とはいっても、犬の散歩など要領はまったく分かりません。
犬が先に歩いて人間が後
犬の行きたい方に歩く
フンはそのまま(又は穴を掘って埋める) ←ヲイヲイ
当時は世間的にこれが普通だと思っていましたし、実際私もこんな感じでした。
散歩中にシャベルを持っている人もいることは知っていましたが、それは糞を持ち帰るためではなく、野に穴を掘って埋めるためだとさえ思っていました。
時代は変わり(?)自分で犬を飼って散歩するようになってしばらくしたら、そうでないことをネットのYouTube動画などで初めて知りました。
まさに驚天動地という言葉がぴったりなほど、驚きました。
人間が先に歩いて犬が後
人間の行きたい方に歩く
フンは回収(して公園の水洗トイレで処理?) ←ヲイヲイ
まさに真逆。
ちなみに、フンについては、朝晩の食後は必ず室内で大小をさせるようにしています。
外でしか排泄できない犬になられては、天候の悪い日や、将来犬の体調が悪くなった時に心配だからです。
また、基本は人間の生活に犬が合わせるべきであり、犬の生活に人間が合わせるのは問題だと思います。
それは、犬には『和』『平等』『民主的』といった(たいていの西側)人類共通の概念がないからです。
基本、一直線の上下関係と下剋上しかないのです。
そのような存在を、人類共通の概念がある相手と同じように接しても混乱が起こるだけです。
たとえば中国のような非民主的一党独裁国家に対して、自由民主主義国の国民相手のような
ぬるい対応では、すぐに足元をすくわれてしまうのに似ています。
彼らは国防動員法の元、号令一下、全員が合法的に国のスパイと化します。
また、普段でも誰が民間で誰が公務員で誰がスパイか、わかりません。
スパイなど怖いのでさっさと処刑してしまいたいところですが、スパイ防止法のような自縄自縛的な法律が多すぎます。
平和的に解決なんて、他国あまつさえ非自由民主国に対して通用すると思うところは、自由民主側の思い上がりだと思います。
先日、患者様で数十年間地方議員をやっていた方がいみじくもおしゃっていました。
「日本では、裕福な階層や逃げ切った団塊層ほど朝日的論調のような左翼的な思想に同調する傾向があり、これは自分だけは安全なところで理想論を言って気分よくなりたいからという無責任主義のなせる業だ」とのことです。
なるほどと思いました。
確かに左翼的な発言は、現場労働者やニート・フリーター・非正規などの『現場の人』ではなく、大企業内の正規社員組合員や自治労官公労日教組のような労働貴族と呼ばれるような人、あるいは逃げ切った団塊のような人生勝ち組のような、いわば『現代の特権階級』から主に出てきますね。
むしろ労働者や自営業などのような、自分で働かなければいけないような現場の人ほど、自民党支持だそうです。
彼らはきれいごとは通用しないので、そうならざるを得ない。
経団連が自民党を支持するのはよく理解できるのですが、『現場の人』の支持が自民に流れ、左翼=『現代の特権階級』となってしまっているのは、これは自民側でなく左翼側の堕落だと思います。
だから民進党の議席も伸びない訳です。
戦後日本に二大政党は無理で現実的な選択肢として55年体制しかないって、もうみんな分かっています。
きれいごとって、日本人からは一番嫌われます。
少なくとも、犬にきれいごとは通用しません。
人類共通の概念とか『霊長類的な感覚』を期待してはいけません。
それでも、犬にとっては、きれいごと抜きで『外』は気持ちよいようですね。
ちょっとしかたまってないはずのおしっこや、ちょっとしか残っていないはずのウンチを道すがら一生懸命ひねりだそうとする姿には閉口します。
その分は大目に見ることにしていますが、室内の排泄は必ずさせて室外依存にならないように気をつけてはいます。
また、わざと散歩に行かない日や、夜中に行く日、朝に行く日、昼に行く日、
1日2回行く日などを極力ばらつくように工夫しています。
これは犬に何かを「期待させない」ためです。
藤井聡(内閣官房参与ではない方の)先生など、「ウチの犬は一頭も散歩に行かない」とすら豪語しています。
犬に定時のご飯や散歩を「期待させる」と「習慣化する」。
この、犬に習慣化させてパブロフの犬にしてしまうのがダメなようです。
こうなると、もともと体内時計が正確な犬は、時間がずれたり期待外れだった時に非常にストレスを感じるようになります。
そこで、逆に要求吠えなどをして、結果として飼い主をコントロール、いわば「飼い主をしつける」状態になりやすいとのことです。
もちろん犬は人間よりも上位に行ってしまいますので、問題行動は悪化します。
最初からいつ良いイベントがあるかわからないのが当たり前にしておくほうが逆にストレスが少ないとのことです。
また余談ですが、いつ良いイベントがあるかわからない状態の方が、必ずイベントが起こる状態のときよりも明らかに依存度が高まるようですね。
で、実際に散歩をやってみると、本当にやりにくい。
現実問題として犬は足が速いです。
(公園の芝生で全速力で追いかけたら大体同じくらいだったが、人間の側のスタミナが続かない)
犬はのろまな人間を置いてでもサクサク行きたがる動物です。
気の毒ですが、それでは散歩は成立しない。
<1>ショック法
最初は引っ張って止めていました。
固定具をハーネスから首輪に戻して(ハーネスはかじられて壊されてしまうこともある)
自分より前に出たら、軽くカクンと引っ張る。
そうすると数秒に1回引っ張る感じになって、
犬の首と私の左手の負担がかなり大きい感じになってしまいます。
散歩の前半は犬も先に行きたいのでガツンガツン引っ張られていていますが、最後の方は根負けしたり疲労してゆっくり歩きになるような感じになります。
それでは犬も気の毒なような気がして、当初は良い気分がしなかったですね。
<2>ローリングソバット法
次は、偶然のプロレス技が奏功した例です。
(おススメはできません)
初代タイガーマスク(佐山悟)の「ローリングソバット」という後ろ回し蹴りがあるのをご存知ですか?
それを意識したわけではないんですが、あまりにテオがガツンガツン引っ張るので、業を煮やして驚かすつもりで、寸止めで体の左側で左足の裏を後ろに向けてパッと蹴る振りをして
みました。
そしたら、不意を突かれた犬は、あたかもジャイアント馬場のゆったりとした十六問キックの足に飛んでいく夏の虫、もとい負け役の雑魚のように、自らぐじゃっと足の裏の土踏まずあたりに
鼻から突っ込み、驚いたように止まってしまいました。
気の毒なことをしてしまったものです。
それ以来、時折フェイント気味に「ローリングソバット」の振りを急にすると、犬もびくっと止まって、後ろを歩くようになります。
ただ、数分するとまた前に出ようとして少しづつガツンガツンが始まることもあります。
<3>伸びたら止まる法
リードが伸びたら止まる、もやってみました。
これが今の所一番やりやすい。
前を歩くとリードが伸びる。
伸びたら止まる。犬は迷って止まる。
↓
犬が止まったら歩く。
リードはゆるむ。
↓
犬もセコセコ歩く。
前に出てまたリードが伸びる。
の無限ループの形になります。
これは犬に、リードがゆるむと歩けて、張ると歩けないことを自ら学習させて理解させる方法のようです。
正直、やり始めでは、止まってばかりで一向に距離が伸びないのは想像通りです。
辛抱強くやるのが重要なんでしょうが、出勤前とか昼休みのスキマ時間に散歩している場合は、時間の余裕がないんです。
そんなときは、始終止まってばっかりいながらも、時折ショック法やローリングソバット(未遂)法を交えて、距離を稼ぐようにしてはいます。
これを毎回やっていると、リードが常に緩んだ状態で散歩ができる時間が増えていきます。
なかなかマニュアル通りに、これが正解というものがないですね。
それでも、何とか工夫しながらやっているのが現状です。
散歩をしていると、他の犬にもよく出会います。
見ると、やはり犬に引きずられてリードが伸びている飼い主が多いように見えます。
しかし、しばしばリードがゆるんでいて、人主犬従な状態の犬もいます。
(そうとう苦労されたり勉強されているんだな)
そのような犬を見ると、飼い主も犬も少し尊敬する根本です。
◆ 歯についての見解
私は犬に関してはずぶの素人ですが、歯に関してはプロの端くれです。
そんな私が問診などで意識していることがあります。
『患者の言うことを、信用しない』
えっ逆だろう、と思われた方が多いと思いますが、むしろ振り回されないように気をつけています。
まず必要以上に答えた内容に期待しません。
こちらからはたくさん質問していくわけですが、向こうがあれこれ枝葉のように
べらべらしゃべりだした部分については、基本的に聞かない。
(この人はべらべらしゃべりだすタイプの人だ)
(直球で答えが返ってこないのは、何か心の中に引っかかりでもあるのだろうか)
こちらが拾い上げるのは基本的にそんなキャラクター情報だけです。
問診は、参考にするだけ。
視診、触診、打診その他画像検査等を組み合わせて、総合的にでないと、正しい診断にはたどり着けません。
もちろん問診を右から左に聞き流す、というわけではありません。
お聞きした内容は所見として細かく記録します。
しますが、通常それが正解ではないので、記録した上で
他の検査を組み合わせて総合的に判断する形になります。
そのときに、問診内容と他の検査の内容を比較することがひとつの判断材料になります。
申し訳ありませんが、初対面では歯主患従、歯尊患卑。
まずは他覚的所見が優先します。
歯がすでにかなりその人となりを物語っているものです。
歯のプロの私に対しては、歯は雄弁に何かを物語ります。
日々歯をしっかり管理して「しつけ」てきたか?
歯を「放し飼い」にして、問題行動を放棄してきたか?
いや、歯どころか、顔面や骨格・体格・しぐさを見るだけでもかなりの情報が得られます。
矯正の先生なんか、会話した声を聴いただけで歯並びが悪いとか分かるようで、これはすごいと思います。
歯の尖端が摩耗している
歯の側面がえぐれている
骨が盛り上がっている
舌の位置の置きグセが悪い
唇や頬の位置の置きグセが悪い
歯肉が赤い位置とそうでない位置がある
歯の側面がざらざらしている
歯の表面に細かいヒビが目立つ
ところどころグラグラしている
etc
おそらく犬のトレーナーがテオや私を見れば、私が分からない多くのことが瞬時にたくさん分かるのと同じように。
それに対して、初診の問診の返答は想像以上にあやふやで不確かなものです。
だから基本的に、その「歯の状況」と「発言や人となり」がどのくらい一致しているか、という点に注意して聞いているのが実態です。
その落差が少ない人ほど、救いようがある。
落差が大きい
歯のせいにばかりして自分のせいにしない
謝ってごまかして、肝心の生活改善をしようとせずに逃げ回る
ちょっと痛いといいつつも全体的にボロボロ
こんな面々では、救いようが減少するのはいうまでもありません。
そのような意味で、当初は歯主患従、歯尊患卑でいいと思っています。
また犬の話に戻ります。
犬のしつけは飼い主の責任
↓
犬の問題行動は飼い主の責任
と、ここ「飼い主の~」で止まってはいけないと前回書きましたが、でもまあよくこのように言われます。
歯はどうでしょうか?
歯のしつけは患者の責任
↓
歯の問題行動は患者の責任
「歯のしつけ」「飼う」という言い方は語弊があると思いますが、実態としては、ただそこに存在する歯を認識して使用しっぱなしなだけではダメで、日々衛生管理をしたり、悪習癖の改善をしたりするなどの、適切な管理が必要です。
歯を「管理する」と考えれば、犬の躾けとの共通点も見えきます。
まぁ、手間隙はかかります。
犬も歯も、メンテナンスフリーはまだまだ遠い未来の課題です。
「適切な管理」は、歯でも犬でも、バックグラウンドに存在する人間の知識や行動、心構えがしっかりしていないと、だめですね。
でも、歯の「適切な管理」の普及については、国がきちんと制度面からバックアップすべきですね。
ここはドイツやスイスの犬に対する行政の扱いと同様なのは前回書いたとおりです。
【今回のまとめ】
犬も歯も、バックグラウンドの人間の知識や行動、心構えの方がより重要