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2011/05/21

私はやさしそうな老夫婦と出会った。

疲れた顔をした私に、家に来てお茶でも飲んでいきなさいと声をかけてくれた。

私はお言葉に甘えて、少し休ませていただく事に。

案内された家はとても大きく、古びた外壁が歴史を感じさせる。

お茶を飲みながら世間話に花をさかせていたのもつかの間。

話はおじいさんの昔話へ・・

『ワシが子供の頃は、うかうか外を歩けんくらい危険じゃったんじゃ!何故かって?』

おじいさんは遠くを見つめながら一息ついて、こう言った。

『巨人がおったんじゃ。』

『そりゃ~でかいってもんじゃあないぞ!上の方なんぞ霞んで見えんくらいじゃ!

奴らは、ワシらにお構いなしでそこら辺をウロウロ歩き回るんでな~!

踏まれそうになって何べんも死にかけたわい!じゃがな!ワシらもやられっ放しじゃあないぞ!

先の尖がった棒で応戦したんじゃ!そしたらな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

おじいさんの話はこの後も終わる気配もなく、私はただ頷くのが精一杯だ。

昔話でよく聞いた巨人伝説。

私は見た事もないし、子供を恐がらせるための昔話だと思う。

2011/05/21 09:33 | hosokawa | No Comments