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飛行機に乗るとみんな必ず
聞いているはずの説明が
あってそれはたとえば
非常時の救命胴衣の着用や
そのふくらませかた、また
天井からバサッと垂れ落ちて
きた酸素マスクの使用方法とか。
あとは着水したときにすべり台
みたいなので脱出する
図説スライドとかもありますね。
ほいでその中でたぶん
毎回ちゃんと説明されているはずなんだけど、
子どもとかお年寄りとか
自分ではライフジャケットを着用できず
酸素マスクも使用できない人が同乗して
いる場合に最初に誰にジャケットを着せて
最初に誰に酸素マスクを着用するのか
という問題があります。
非常時に子どもと大人と
誰にまず最初に酸素マスクをつけるのか。
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これに関しては大原則ともいえる
はっきりとした「正解」があり
おそらくは
航空会社のマニュアルでも
安全確保のための順番は
世界的に共通していると思われます。
みなさんも飛行機に乗るたびに
そういう説明を受けているはずです。
まずいちばんはじめに
ライフジャケットを着用させるべき人間は自分です。
酸素マスクを口にあてる相手というのもまずは
いちばんはじめに自分でなくてはなりません。
自分が倒れてしまっては子どもの安全確保はできません。
ほんとうの緊急場面において
自分の安全や生命を自分だけでは守ることができない人が
命にかかわるような重要なサポートを受けなければならない
場面においてそのサポートしてくれる人にまず
ちゃんと自分自身の安全を確保してもらっていなければ
安心して自分の安全をゆだねることなどできません。
人を支援する人はまず何よりもはじめに自分自身をきちんと
ケアしていなければ、自分が危険なだけではなく共倒れという
リスクとともに助けるべき当の相手の身をも危険にさらします。
だから「セルフケア」ということはほんとに大切なことで
そこを疎かにしている人、頭では理解しておりその重要性を
口にしていても実際には自分自身をそのように扱っていない人は
非常に危険です。
自分のことをだいじにできない人が他人にかかわること、特に
他の人の心や命、身体や安全にかかわるようなサポートを行うことは
本人にとってはもちろんのこと
当の助けるべき相手をも危険にさらすことになります。
このことをぼくはつよい自戒や反省をこめてそう思います。
明日から仕事で仙台に行きます。
避難所をまわって被災された人たちの話をうかがい
ひとりひとりが必要とされている福祉的ニーズと
役所や行政の制度や現状の中で機能している
さまざまな福祉サービスとをつなぐ仕事をしてきます。
避難所運営のお手伝いもすることになるかもしれません。
ぼくが行くのは
津波で甚大な物的人的被害を受けた
沿岸部の地区で、2か月経った今もたくさんの
人が不自由な避難所生活を続けています。
地震後、
いつかくるかもしれないこのような機会にそなえて
いざというときがくればすぐに動けるようにと
自分の生活スタイルを見直し
夜はしっかりと寝てたくさん食べて笑って身体を動かして
普段なるべくおだやかな時間を過ごすように心がけて
自分なりにこの日のための準備をしていました。
災害時に起こりやすい身体的心理的な反応や状態、
支援のありかたについてなど
阪神大震災等における災害時における
活動の研究にも目をとおすようにしてきました。
行ってみないとわからないことや
現地に行ったら行ったで
やはり受ける衝撃の大きさであるとか
自分自身の受け止め方とかも
今とはまたぜんぜんん違ってくるとも思います。
とはいえ自分に今できる準備はできています。
心身の状態もいいです。
いってきます。
行って自分にできることをしてきます。
現場で多くのことを見て聴いて話して感じ、
帰ってきてまた自分にできることを考えていきます。
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私とは生命線の交わらぬこいびとの手をなぞるぬくもり
お別れの儀式のようなドトールでまだあたたかいハニーカフェオレ
もう会わない人の名前を口ずさむ今でもまじないみたいに響く
しみこんでゆくもの今宵私は水しか口に含みたくない
分からないことばかりです冬に咲く花の名前を教えてほしい
そうずっと泣いていたのね今はもうあなたの空にも同じ夕焼け
雨上がり ああかつてよく知っていたいっぱい泣いた後の夕焼け
何番目だってよかった そんなことあなたが口にする時までは
初めてで最後の夜になるだろう僕らあさまでゆうやけをみた
私たち、少し笑った。笑うたび夏が近づくことを感じた