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綺麗にまとまっているような感じよりも、雑にまとまっているような感じが好きな北沢力です。今日もまた意味不明なコラムになりそうな気配がプンプンしますがよろしくお願いします!
“ヘタウマ”
…なんて言葉がありますよね。
ヘタウマという言葉を上手く説明する自信が無かったのでググってみた所…
“ヘタウマ(ヘタうま、下手巧とも)とは、創作活動(なかんずくサブカルチャー)において技巧の稚拙さ(つまり「ヘタ」)が、かえって個性や味(つまり「ウマい」)となっている様を指す言葉。技術が下手で美術的センス、感覚がうまい、つまり技巧が下手でしかも人を惹きつけて止まない魅力があるものを指す。ただし、稚拙さを技術不足ととるか、計算や個性、あるいは味と捉えるかは、受け手の主観によるところが大きいため明確な定義は存在しない。そのためか「ヘタヘタ」という表現も存在する。”
と、ウィキペディアに載っていました!
とあるナレーションの仕事でディレクターに…
「ヘタウマっぽくお願いしたいんですよね」
みたいな事を言われたのですが…
「はい~!わっかりました~!」
…とは行かず、少し考える時間を頂きました。
僕の中でのヘタウマっていうのは “技術とか常識とかにとらわれないで只々強烈な個性を発揮するような表現” みたいなイメージがあったので、個性みたいなモノを重視して~なんて思ったのですが、結局そんな事を考えているって事は技術に走ろうとしているわけでそれはヘタウマとは言わないのではないかだのなんだのかんだの…
結局「これだ!」と思えるようなヘタウマが見当たらず、それがヘタウマかどうかは無視して技術で何とかヘタウマ感を出そうと思ってやってみました。
とにかくいつもならやらないような表現を…というか真逆的な感じの組み立てで喋ってみました。真逆という事は良しとしている表現を封印して悪しとしている事をやるわけですから当然、僕の中ではかなりの葛藤がありました。
がしかしー!
…これはこれで何かしっくり来るような感じがあったんですよね(笑)。
逆もまた然り…と言った所でしょうか。
結局、それがヘタウマっぽいのかどうかはわかりませんが、僕の中で何か新たなモノが生まれたような瞬間でした。
正解が無い世界ではありますが、この喋りが結局OKになりましたし、かなり喜んで頂けたようだったので、ますます声優という仕事の奥深さを実感した一日でもありました。
厳密に言うと、この時に僕が捻り出した表現はヘタウマとは違うものだと思います。ヘタウマという事は考えたり研究したりするモノでは無いような気もしますが、何か僕の将来を大きく左右するようなしないようなヒントのようなそうでないようなモノを感じましたので、ヘタウマっぽいこの表現を大切にしたいなと思います。
本当に声の世界というのは奥が深くて面白いです。