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2015/09/01

皆さん、おはようございます。

この度、ぼんちオペラの中核メンバーにより
音楽グループの立ち上げを致します。
ただし、発足そのものはドン・ジョヴァンニの公演開始を以て
発足と致しますため、それまでは
発足準備の会、ということで準備を致します。

さて、名称は「Conceptus」と申します。
ラテン語で、読んで字の如くコンセプト、ということなのですが、
ラテン語には色々な読み方が存在します。
これをイタリア語読みしますと、「コンチェプトゥス」ですし、
ドイツ語読みなら「コンツェプトゥス」です。
フランス語なら「コンセプチュス」みたいなことになるんでしょうか。(笑)
「コンケプトゥス」もありなんでしょうか。

これを、どの読み方をしてもらっても構わない、
各自の読みやすいように読んでくれ、という
自主性に任せるスタンスをとりたいと思います。

・・・ただ、発起人たる私が英語嫌いのため、
英語読みの「コンセプタス」だけは厳禁しようかしら・・・。(笑)
ちなみに、私は「コンツェプトゥス」と読んでいます。

ともあれ、何のためにグループを発足させるかというと、
集いの責任の所在を明らかにしておきたいから、
ということが大きいです。
例えばですが、そもそも我々はほわっとオペラからの出発でした。
ほわっとオペラはマスターが支配人でしたし、
制作がマスターだったので、
根本的な責任の所在はマスターにありました。

ただ、マスターの体調がよろしくなくなるにつれ、
どこまで責任を持って制作していただけるか、
不安を感じてきたのが正直なところです。
マスターが一線を退こうものなら、
ほわっとオペラの一翼でしかなかったぼんちオペラは、
たとえ店が存続しようとも壊滅の危機に瀕します。
そこで、団体、あるいはグループの結成を
いずれはしなければならない、という話を、
水野さんにしていたのがほぼ1年前の状態でした。

それが年末になって、
マスターの引退より悪い知らせが届きました。
マスターの体調が原因の、完全閉店です。
もちろんマスターや家族の負担を考えると、
それが最善の道だったとは思いますが、
ライブの場所として関西で有名だったほわっとが
なくなってしまうというのは、
関西の楽壇にとっても大きな損失だと思いますし、
普通に考えて、ぼんちオペラの危機でもありました。

それが、さほどに最悪の事態ともならず、
ぼんちオペラにとっての危機ともならなかったのは、
昨年の「コジ・ファン・トゥッテ」と「トスカ」が
立ち上げを頼まれていたアヴェンヌオペラの助走として、
アヴェンヌで上演され、今年の「椿姫」から本格的に
アヴェンヌオペラを始動させることが決まっていたからでした。

だからといって、単純にアヴェンヌオペラへの乗り換えが、
今後のぼんちオペラにとって絶対の安泰材料となるわけではありません。
稽古場所の確保一つ考えても、
きちんと責任の所在が明確になる形が必要だと思われました。
つまり、特別な事情がない限り、
その名前で会場をとる、団体名が必要というわけです。

これが設立の背景事情なのですが、
普通であれば、仲間が集って何かやろうとして、
その集いに名称をつける、という手順であろうかと思われます。
我々はそれとは逆の順序で、実績に基づく集いがあり、
それにやっと今、名称をつけるに至ったわけです。

そして、同じグループを設立するのであれば、
誰もが自分のアイデアを形にする権利を有する、
開かれたグループにしたいという願いを持ちました。

こういう経験はありませんか?
何かの演奏会に出演していて、
独特のアイデアを提案した時に、
「それは自分の演奏会でやってちょうだい!」
と言われたことが・・。

自分の演奏会、と簡単に言いますが、
なかなか演奏会を開くことは簡単ではありませんし、
人数を要するものであればなおさらのことです。
しかも、その言葉を発した人は、
「自分の演奏会」を段取りしてあげる気も、
後援してあげる気も、
それどころか、その演奏会に出演してくれる気も、
おそらくはないでしょう。
こんな無責任な言葉で相手を失望させていることに、
きっと気づいてもいないでしょう。
つまり、その時の演奏会に限らず、
提案されたアイデアそのものに対する拒絶、
ということに事実上なってしまっています。

私がこだわるのは、
「自分の演奏会でやって!」とは決して言わず、
「じゃあそれ、うちの演奏会として企画してみて!」
そう言って、うちで段取りしてあげられる、ということです。
その意味で、私の悲願は、
ぼんち発信でない、他の人の企画で動く部門が
完全に機能してくれることです。
つまり、Conceptusは色んな人の企画が動き、
ぼんち企画があくまでもその中の一つとなることです。
そんな意味で、私がいなくなったら消滅する、
そのようなグループ、団体では困るのです。

私が発起人、という名称を使うのも、それが理由です。
発起人は発起した当人しか名乗り得ない名称です。
ですから、Conceptusについては私しかなりようがない。
これが「代表」ならば二代目、三代目がある話です。
でも、「二代目発起人」は理屈上あり得ません。
これは、私が権力者となる構造を回避するとともに、
跡目相続をめぐって争いが生じることを回避するためです。
一番ボスであるはずの私の権力を予め骨抜きして、
この団体に権力者はいない、という姿勢を
後々の為に明確にすることがねらいです。

一応、外部に求められたら
代表としての役割は当座私が果たしますが、
それは必要があってそういう顔をするだけのことで、
内部に対して行使しない、という手本を示しておきます。

長くなりましたが、以上のような背景で
新しい音楽グループの設立説明と致します。
では、以下に趣意書を記しておきます。

Conceptus発足準備の会設立趣意書

当会は梵智惇声を発起人として、
音楽グループConceptus発足の準備を目的とし、
これに賛同する音楽家をメンバーとして設立するものである。
なお、Conceptusの発足は2015年10月16日金曜房宿、
サロン・ドゥ・アヴェンヌにおける
オペラ公演「ドン・ジョヴァンニ」開演に時を同じくする。
発足日は、同日が宿曜占術による最大の吉祥日である
甘露日にあたることにより設定された。

なお、以下に記すConceptusの説明は、
そのまま同グループの設立趣意書として転用し得るものである。
音楽グループConceptus は、
器楽、声楽、コンサート、オペラを問わず、
音楽作品や舞台作品の持つメッセージを最重要視し、
企画発案者の明確なコンセプトを柱として
研究、上演を行うグループであり、
正式名称表記をラテン語で Conceptus とする。
なお、名称の発音については
ドイツ語読み、イタリア語読みなど、
話者各人の好みの発音を用いられることとし、
あえて発音統一への努力を放棄するものである。

「Conceptus 」設立の目的

老若男女を問わず、音楽作品や舞台作品について、
作品、及びその実施方法について考察し、
研究する者が積極的に企画発案者となり、
明確なコンセプトを打ち出して上演する場となることが、
当グループ第一の目的である。
その目的の実施によって、観客が真の芸術に触れ、
人間の真実に至ることを心より祈念するものである。

「Conceptus 」の柱

次の2部門によって構成される。
1:ぼんち発信による企画
2:ぼんち以外の発信による企画
1は梵智惇声による発信の企画であり、
コンサート、オペラなどの上演であり、
特にオペラについては「ぼんちオペラ」と称される。
2は梵智惇声の発信ではない企画であるが、
上演形態については1と同様、特に制限は設けない。
いずれも、器楽演奏家、声楽演奏家など
必要な人員をその都度メンバーとして招集し、
作品創造に必要最小限度の上下、主従関係のみ許容して
制作にあたるものである。
なお、1と2のいずれが主眼であるか、との問いには、
2こそが発起人の主眼であると、書き添えておきたい。

「Conceptus 」の構成員

当グループは発起人の梵智惇声と、
その規模に従って必要とされる役員の他に常の構成員を置かず、
上演作品の必要に応じて出演交渉の上、
その都度参加メンバーとして扱われ、
報酬の分配は極力公平を期すよう行われる。
但し、発足以前のぼんちオペラ参加者を含む参加経験者は、
特に拒否の意思表示がない限り優先的に候補者として
出演交渉される可能性を持つ。
いわば会友のような位置にあると思われたい。

「Conceptus 」の事務局

当グループの事務局は発足にあたって
その基本的な所在地を決定するが、
会場確保の為等の必要に応じ、
窓口となる参加メンバーの自宅など、
適宜臨時の事務局と称することを許容する。

2015/09/01 12:50 | bonchi | No Comments