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2015/07/10
少し強い風が吹き、豆田さんの家はフワッと舞い上がり、少し離れた場所に着地した。
『・・・』
長い沈黙が続いたが豆田さんが口を開いた。
『あの・・申し訳ないのですが、家を拾ってきていただけないでしょうか?』
私は『えっ!』と聞き返した。
『いや、見た目は大きくて重そうですが、思いのほか軽いですよ。』
重いとか軽いの問題ではない。
『じゃあ、何か差し上げますから!』
そう言うと豆田さんは辺りを見回したが何もなかった。
『どうしたら取って来てくれるんですか!!』
何故か少し怒り気味だ。
私は飽きれてその場を立ち去ろうとした。
『ちょ、ちょっと!どこに行くんですか!』
今、家を探しているので先を急ぎます。と彼に告げた。
『なんだ!それなそうと言ってくださいよ!私、良い家の情報持ってますよ。』
私の足はピタっと止まり、振り返り豆田さんの顔を見た。
豆田さんは寝ながら、ニヤッと笑った。
『まずは私の家を。』
信じて良いのだろうか・・・
〜続く〜
2015/07/10 10:04 | hosokawa | No Comments