« 2週間の予定でカナダを訪問しています。 | Home | 足りない部分が多いからこそ良いって事もある »
フェイク【Donnie Brasco】
1997年 社会人になりたての頃
JERRY MAGUIRE (ザ・エージェント)やERIN BROCKOVICH (エリン・ブロコビッチ)と
人の名前がタイトルになっている映画は外国映画だなぁ、と思う。
邦画であれば『石川五右衛門』『佐々木小次郎』『卑弥呼』という具合で、
かなり歴史よりになり、少し近代的な印象とは異なる、という私見。
『Donnie Brasco』は実在するFBI捜査官がマフィアの潜伏捜査の時に使った名前。
つまり架空の人物。
その捜査官をジョニー・デップが演じる。
ジョニー・デップの映画で一番好きな映画は『スリーピー・ホロウ【Sleepy Hollow】
と思っていたけれど、この『Donnie Brasco』のコトをすっかり忘れていた。
パイレーツオブカリビアンのようなコミカルさもなければ、
チョコレート工場やアリスのような不可思議さが一切ない。
純シリアスな彼を見ていると、この人は演技がうまいんだ、と思う。
ストーリー半ば、ドニーがワシントンから来た捜査官を紹介されるシーン。
本名の『ジョー』と呼ばれ、答える。
“ドニー”と 今は“ドニー”だ
Donnie. Call me Donnie. I don’t want to get confused.
“今は”ドニーと呼んで欲しい理由が
“I don’t want to get confused”、つまり本名と偽名がごっちゃになるから。
それでうっかり素性がバレると困るから、ドニーと呼んでくれ、と。
“get confused”は『よく分からなくなってきた』時によく使われる。
だいたいその後には”got lost” 『すっかり分からなくなる』
ドニーという名前に慣れてくると共に、
潜伏捜査だったはずの生活が本当のマフィアになっていく。
仕事とは言え、その二重生活に耐えられるのか、という、そういう映画。
そして何よりも共演のレフティ役のアルパチーノが、やっぱりいい。