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エリン・ブロコビッチ
【ERIN BROCKOVICH】2000年
アウトブレイクがダスティン・ホフマンの映画なら、トミリー・ジョーンズのはボルケーノと
時々、自分の中で勝手に役者と作品のマッチングができあがる時がある。
そしてこの“エリン・ブロコビッチ”はジュリア・ロバーツ【Julia Roberts】の映画。
それほど好きでも注目していた女優でもなく、
97年のベスト・フレンズ・ウェディング【My Best Friend’s Wedding】あたりで
90年のプリティ・ウーマン【Pretty Woman】のヒロイン役が実は彼女だったのを知ったぐらい。
実在の人物、エリン・ブロコビッチの活躍を描いたヒューマン・ドラマで、
企業を相手に、土地の汚染を証明し、集団訴訟に勝利する、というストーリー。
そしてジュリア・ロバーツがアカデミー主演女優賞を受賞したのも、映画自体の題材が
社会的に訴えるものがあったのだろうけれど、
この役がジュリア・ロバーツじゃなければこんなに注目されてはいなかった、とも思う。
自由奔放な性格で数字に強く地理が得意、更に粘り強い性格を持ち、そして何より明るい。
ジュリア・ロバーツ自体は決してこんなではないのだろうけれど、3人の子供を連れて
ちょっと傾きつつ突進するかのごとく闊歩する姿が自然で、すごくしっくりしてしまう。
ストーリー前半、そんなエリンが汚染に関する事実を発見し始めた矢先、
その熱心なリサーチ行動が“無断欠勤”と誤解され、弁護士事務所をクビになる。
自宅で次の仕事を探していると、元上司の弁護士が訪ねてくる。
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今日電話があったUCLAのフランクル博士からだ。
彼の話では6価クロムの許容限度は0.05ppmだそうだ。
君が指摘した0.58ppmは発ガンの可能性がある。 ジェンセン夫妻のケースだ。
I had an interesting call, this afternoon from Dr. Frankel from UCLA.
He wanted you to know that the legal limit for hexavalent Chromium is
.05 parts per million. And the rate you mentioned, .58 it could be
responsible for the cancers in that familiy you asked about the Jensens.
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ppmってparts per million、つまり100万分の1のことなんだと。
もし、文字だけでppmを見たら、勉強の知識として『知らない』ことになる。
でも100万分の1を1とした場合0.05、と言ってくれれば、
一体それがどんなに小さいか分からないけれど概念は理解できる。
大学の時の数学の授業を思い出した。
授業自体の内容は、日本の高校でやったレベルのことなのに
『公式』とか『単位の意味』とか、とにかくどうしてそんなアルファベットの文字が
羅列するようなことになったのかに気がつかせられ、根本的なコトが分かることが多かった。
日本で学ぶ多くのコトが国外で発見され基盤が築かれるが故、
略語と基本概念を一緒に知り、簡略されたものだけを覚えることに頼りがちと思う。
歴史のように、数学や物理の知識が培われた環境や言語から理解していけば
難しいと思えることも、もっと身近になるのではないだろうか、と。
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今度ジュリア・ロバーツくくりで彼女の出演作品をいくつか観るのもいいかもしれない。
特に原書が好きで観た91年の愛がこわれるとき【SLEEPING WITH THE ENEMY】が
実は私が初めて観た彼女の映画なんじゃないかと思うし、
かなりミーハー気分で見た01年のザ・メキシカン【The Mexican】あたりも楽しそう。
大女優と呼ばれ始めた頃にブラッド・ピットと共演した映画で、作品自体には前宣伝がありすぎて
あまり評価がなかったようだけれど、監督はパイレーツ・オブ・カリビアンシリーズの
ゴア・ヴァービンスキー【Gore Verbinski】だったりするので改めて見たら発見があるかもしれない。