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2015/06/29

ご無沙汰しています。

今回は、ちょっと音楽から離れたお話です。

僕には5歳の息子と3歳の娘がいます。息子は3歳からサッカー教室に通わせています。息子にサッカーをやらせたのは、僕と妻が大のサッカー好きだからという事もありますが、息子の性格が優しすぎてちょっと頼りなかったので、少し強くなって欲しいという気持ちからでした。

幸い、素晴らしいサッカー教室のコーチに恵まれ、基本的には彼に任せて練習の間は口出しをせず、幼稚園の間は「楽しく」という事を最優先すればいい、まずはサッカーを好きになってくれればいいと思っていました。ですから、とにかく失敗しても「次頑張ればいいんだよ」と励ますだけで、叱ることはしませんでした。

初めて出場した大会では、チームメイトの大活躍で無敗のまま全勝優勝。息子は楽しそうにスキップしているばかりで特に目立つことはしませんでしたが、それでも最後まで走っていたし、本人も「楽しかった」と言っていたので、「よく頑張ったね!」と誉めてあげました。

しかし、先日の2度目のサッカー大会、教室の友人たちが確実にプレーの意識が上がっているなか、息子はほとんどプレーに関与せず、みんなの周りを楽しそうに走っているだけ。ドリブルもやれば上手いのに、まずボールをほとんど見ないで何となく人が集まるところに行くだけ、という状態。チームは3位で銅メダル獲得という結果でしたが、息子は正直チームの足を引っ張っている状態でした。

これまで「サッカーは親のエゴで始めさせたから」という思いがあり、そして「幼稚園の間はとにかく楽しむ事を最優先」という方針でずっと叱ることを耐えてきましたが、あまりに歯痒くて不甲斐なかったので、大会途中からだんだんイライラしてきて怒鳴り声をあげてしまい、大会後、「下手でも良いから気持ちを見せろ!」と、サッカーをやらせてから初めて叱りました。

その日、「まず親が見本を見せなきゃ。とにかく諦めない姿勢でボールに食らいつく姿勢を見せよう」と思い、「パパはサッカー下手だけど、チームが勝つために必死で頑張ってるから見においで」と言って、僕がプレーするフットサルに初めて息子を連れていきました。久しぶり過ぎて足元はおぼつかないし体力もキツかったしシュートもほとんど枠に飛ばなかったけれど、とにかく全力でプレーし、ボールを最後まで追う姿勢だけは見せたつもりでした。

そして翌日、僕は自宅でレッスンだったのですが、夕方、最後の生徒さんが帰宅したら息子がやって来て

「パパ、レッスン終わった?僕、サッカーが上手になりたい。公園でサッカーの練習したいから一緒に来て」

と言われました。

「おお、じゃあ一緒に行くか」と素知らぬ顔をしながら一緒に公園に行って練習してましたが、内心嬉しくてずっと泣きそうでした。

それだよ、その気持ち。

お前が上手になりたいと思ったらパパは何でもやってやるよ。ただ、一生懸命な姿が見たいんだよ。

そう感じると同時に、僕が楽器を始めた時の両親の歯がゆさはきっとこんなものじゃなかっただろうなとも思いました。音楽の世界では第一線で活躍する両親から見て、高校2年から楽器を始めた僕の努力は、さぞ物足りなかっただろうと改めて思います。親になって初めて分かる、自分の親の気持ち。改めて親に感謝。

そしてこれからも、僕は息子のサッカーの練習に付き合おうと思います。

でもね、フットサルで折れた右足の指が治るまで、足踏まないでね。

2015/06/29 04:42 | sumi | No Comments