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今回のテーマは、“対バン”です。
小さなライブハウスに足を運ぶ機会のない方には、耳慣れない言葉なのかもしれません。
“たいばん”と読み、意味は、「バンドとバンドが対すること」なのですが、
要は、複数のグループ(アーティスト)が順番にステージを務める形式のライブのことを、“対バン”形式と呼び、
“対バン”だけでもすなわち、「複数のバンドが出演する形式のライブ」のことを意味します。
“ワンマン”の対義語、というわけです。
“対バン”時の、共演バンドのことを指す場合もあります。
「“対バン”は『○○○』さん」というように使います。
さらには「“対バンする”」と、動詞として使う時もあります。
「『○○○』さんと“対バンする”」というように。
ロック、ポップス系のライブハウスでは多くの場合、日々、“対バン”でスケジュールがブッキングされています。
メジャーなアーティストがライブを行うような、キャパ200人とか300人といった大きなライブハウスではワンマン公演のほうが多いと思いますが、インディペンデントなバンドが出るライブハウスでは、ぶっちゃけひとバンドで箱を満杯にすることが厳しいので、“対バン”形式でのライブになるのです。
“対バン”ライブは、お店にとってのリスクヘッジであり、バンドにとってもリスクヘッジなのです。
ノルマが課されるライブハウスでは、対バンが多い方がノルマは減る傾向にありますし、ノルマがないお店であっても「お客様を動員しなくても良い」ということではありませんから、集客のプレッシャーを軽減できます。
さらにそれ以外での、“対バン”のメリット、デメリットもご紹介してみたいと思います(バンドにとっての)。
案外、デメリットは多いです。
“対バン”の数が多くなると、演奏時間が短くなる傾向があります。
そうなると、集客がしにくくなったりします。
わざわざ時間と交通費を使ってお越しいただいても、30分でライブが終わってしまう、とかですと、来ていただくのも申し訳ない気持ちになり…。
やっぱり、演奏時間は長いほうがやり甲斐もありますし。
逆に、メリットといえば…。
自分たちが呼んだ以外のお客様(他のバンドのお客様)に演奏を聴いていただける可能性があること。
ファンを獲得することが活動の目標ですから、そもそもの知り合い(自分たちのお客様)以外の方々に、まずは聴いていただかなくては。
しかし…。
“対バン”した他のバンドのお客様に自分たちを気に入っていただく、というのは、相当にハードルが高いです。
こう言ってしまうと身もフタもないですが、大概のバンドは、知り合いにお願いして来場してもらっています。
義理で観に来てくださっている方が大半です。
そのような方々は、目当てのバンドの演奏時間にしかその場所にとどまらなかったりもしますし、とにかく他のバンドには興味をお持ちではありません。
まあ、ちょっと聴いていただいて、ぐっと惹き付ける実力を持ち合わせていれば、その限りではないわけですので、要は力不足、という話ではあるのですが。
それはそれとして。
それ以外でもメリットはあります。
他のバンド(ミュージシャン)と知り合える、というのは大きなメリットです。
ぼく自身の直近の経験で言うと、何度か共演させていただいているユニット、『naminote』(ナミノート)さんと知り合えたのも、まさに“対バン”がきっかけでした。
2012年の春先のライブで初めて“対バン”させていただきました。
お店がブッキングしてくださった方々との“対バン”だったので、すべて知らない方たちだったんですね。
その日のライブは、他にも魅力的なアーティストの方々が揃っていました。
で、『naminote』さんに関しては、リハの演奏を聴いたその場で素直に「すげーいい」と声が出てしまって、拍手をして。
それがきっかけで仲良くなれた、という次第なのです。
後に(2013年)『naminote』さんは日本コロンビアからCDを出されるに至りました。
そしてその2枚目には、なんと1曲、レコーディングにも参加させていただけた、という…。
ちなみに、その『naminote』さんたちと出会えたライブハウスは、下北沢の『モナレコード』さん。
来る4月26日に、“対バン”ライブをする、まさにその箱です。
ということで、結局はライブ告知かい…、という話なのですが…。
今回のライブはまず、自分たちで手応えを掴むためのステージ、という意味合いが多分にございます。
なので、自分たちが気楽にできる形、を重視させていただいて、多くのバンドによる“対バン”形式を選択させていただきました。
ちなみ出番は、5バンド中の3番目。
もっとも美味しい出番を与えていただいております。
もっとも混み合う時間帯、すなわち、多くの方に聴いていただける可能性の高い時間帯です。
存じ上げない方々の中から、1人でも2人でも、ぼくらのサウンドを気に入ってくださる方がいらっしゃいますように…。
その半面…。
ぼくらのお客様には、もっとも混み合う時間帯となってしまうので、ご迷惑をかけてしまうかもしれません…。
大変申し訳なく思っております。
しかし、新しいサウンドがどんなものなのか、それを見届けていただきたく…。
そして、ご感想をお聞かせいただきたく…。
改めまして、ご来場を心からお願い申し上げる次第なのです。
何卒、何卒…。
(結局、もろな告知になってしまいました…)。
詳細は、バンドHPをご覧ください。
そして、HP記載のメールアドレスへ、お問い合わせのご連絡をいただけましたら…。
よろしくお願い申し上げます。
何卒…、何卒…。
押忍