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かなり前にAVのコーナーで衝撃を受けたという記事を書いたのですが、先日、小川洋子さんの小説「薬指の標本」を読んでいて、やっぱりフェティシズムというのはエロスだなあ、と思ったことがありました。
この小説は映画にもなっているのでご存知の方も多いかもしれません。
この小説の中でヒロインは雇用主から靴を贈られ、その靴に足が侵食しているようなイメージを持つのですが、この部分の描写がとてもフェティッシュなのです。なんていうか、それこそただ靴を脱がされているだけなのに、エロい。
これは雇用主である弟子丸氏の嗜好なのでしょうが、上手いなあ、と感動しました。
日本におけるフェチの伝道師と言えば下関マグロさんというフリーライターの方がいるのですが、この方の著書を見ていると世間には本当にたくさんのフェチ、嗜好があるということを痛感します。
唇に興奮する、脚に興奮するというような身体的嗜好から、ラバーやサテンといった素材に対する嗜好、煙草を吸う姿、食事する姿に興奮するというような仕草に対する嗜好まで本当に人間の欲望の対象は幅広い。
もっともこれは男性目線ですが、女性目線でもたとえばちょっと言葉でなぶられるのが好き、という軽いSM嗜好がある方もいるでしょうし、男性の骨ばった首筋に男を感じる!という方もいらっしゃると思います。
これらのフェチは「私●●フェチなんだよねー」と簡単に口に出せる類のものから、とても口に出せない、というか言えないような場合のことも。
一般に、そういう嗜好は変態と言われてしまうわけですが、でもだからといって矯正できるのか?と言われたらわたしは無理だと思います。
だって、性癖ですもの。
好みは極めてパーソナルなものですし、矯正しようと思って出来る程度の場合ならいいですが、そうでない場合のほうが多いでしょう。
もちろん、犯罪につながるような場合は何らかの方法で嗜好を鈍らせる必要はあるでしょうが、その一助になっているのが風俗やアダルトビデオなんだろうなあ、とわたしは思う。
もちろん、万人が出来る仕事でもないですし、万人に理解される仕事ではない。
でも、その仕事を必要としている人は必ずいるんじゃないか。
そんな風に、最近のわたしは思います。