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2015.写真展「化身」フライヤー.
A4サイズ/マットコート紙110kg
両面カラー/2つ折り加工/1000部.
違う二人
知らない二人
異なる気持ち.
継ぎ接ぎして通された
軸の両輪から聞こえる
軋み、歪み、揺らぎ.
繋ぎ合わされても
通い合うことのない
触れ得ないものたち
何者にもなり得なかったのは
果たして誰か.
あのとき留まっていたら
あそこで断てたから
導き出された想いと決めたことと
それがもたらしたもの.
そして残されたものたちの
ほんとうは見るはずのなかった
あるひとつの結末.
昨年もちょうどこの時期の公開だったでしょうか
2015年7月の個展「化身」の先行フライヤー
初公開です.
なんだか昨年と同じことをしている..
と、思うけれど、これってすごく恵まれていることだと
感じています.
こんなふうに、新しい作品を撮れて、創れて
そして展示が出来る場所がある…
それは作家として、すごく幸せなことだと思うから.
呼吸をするように写真を撮って展示して
もう少し楽にやれたら良いな..と思うし
ただひたすら苦しいことばかりのような
気がするけれど
次第に一つの展示の全貌が輪郭を帯びだしたときの
胸の高鳴りは、やっぱり隠すことは出来ないし
そういうのに身を任すのも、悪くはないと思うから.
今回のフライヤーはA4サイズで
2つ折りにしていて、表面の真ん中で折ると
A5サイズの程よい厚みのある
カードっぽいフライヤーになってます.
デザインはほぼコンセプトアートと同じ.
いつものように裏面はキャプションと
開催日時とかの情報です.
僕にとっては約15年振りになる
カラー作品で、全30点くらいの構成になります.
カラー作品にしたことでモノクロでの作品よりも
少し楽になったのは確かです.
だから超大作、というよりも小粒…
でもすごくデリケート..そんな作品に
なりそうな感じです.
撮影そのものも、この1年くらいの期間で
撮ったもので、二人の被写体、Wキャストで
となったのも、撮影の結果そうなった…
という感じなので、
そうなることを見越していたのではありません.
とはいえ、そうなったらなったで
いざ作品構成してく段階…
今回はここがすごく錯誤したところです.
残滓
一言で言うなら、これに尽きます.
今までの写真展、その時点での自分の出来ることを
「やり切った」という気持ちになるのだけど
どちらかというと今回の「化身」では
余力を残して…というか
もっとやれたかもしれない…
そんなところで自分を制してる部分があります.
もちろんそれにはいろんな理由もあるのだけれど
二人が持つもの、互い違いの想い、考え
そして二人それぞれから出された「応え」…
それを思うとき、この作品は此処までの
ところで成り立たせるべきものだと感じました.
時間が経って移ろう中で
いろんなことが途切れたり
絶たれたりする中で
ここ、というところを切り取って
今回の写真展は成り立っています.
二人の想いを写して、そして…
と語り出すその遙か手前で
作品に写る彼女たちよりも
何より作家である僕自身が
「留まることしか出来ない」
「此処でしかいられない」
何者にもなれなかった自分..というものを
突き付けられる作品になるのかもしれない.
そうなったときの怖さを、「余力」というものに
転化させているような…
撮っているときには気が付かなかったこと
或いは気付かなくてもよかったことに
作品を展開させながら嫌でも気付かされる.
それでも懲りずに未だこうしていられるということは
きっともう少し先、続きがあるのかなと
そんなふうに思っています.
写真展「化身」先行告知フライヤーは
4月下旬完成、福岡市内、近郊に配布します.
追って制作するポストカードと共に
また自分の脚で配布出来ること
そこで出逢うものたちを楽しみにしています.