« トランペットの仲間と思われていながら、仲間でないラッパ達 | Home | 水温って。 »
昨日は所属する歌劇団の団会員企画のためのキャスティングオーディションをかねた試唱会がありました。
提出した曲は、かなり悩みましたが…
1週間前に出演したコンサートでも挑戦した「ドンパスクワーレ」から「あの眼差しに騎士は」
色っぽく美人な未亡人、おっさんを天才的演技で騙すノリーナに近づけるかどうか…と悩んできましたが、いい加減大人にならなければならないと尻に鞭打ってこの曲を練習してきました。
ここ数年、声がビアンカ(白い)だと先生から言われ続けていました。
色気はともかく、大人の女に近づく努力をするために選曲したのでオーディションで未完成でも構わないから向き合ってきた曲を全力で歌おうと思いました。
「自分の中から出てくるものだけで勝負しても一生食っていけない」というお言葉を先輩からきいたばかりだったのですが、
そもそも自分の内面から自分自身が出ていこうともしていない、さらに自分の中にも必要なものがない身で勝負していたので、とにかくまとめる力もないくせに「内気な歌」から外へ殻を破りたかったのです。
先週のコンサートでは、トップバッターにこの曲を演奏し、トークを入れました。
「私はみるからに子役で、今一番色気がほしいがばかりにノリーナのアリアを練習してきました」というと会場がドッと湧いたのですが…
(ということは…誰が見ても子どもにしか見えない…ということなんだな。それはそれで才能か)
その1週間後に、試唱会。
今までは愛好家くさいだとか、まだまだ素人と思われることを怖がってきました。
しかし、この日は自分を守って小さくなって歌うのはやめ強気で歌い放してきましたが、このような選考会であえて挑戦的な曲をもっていき手応えを感じず勝手に玉砕することに対しては平然といたり丈夫なハートはまだもっていないようです。
ぶつかりにもいかないなら前進すらもない。守るものは今の私にはなにもないのに。