« | Home | »

2015/03/21

mayu_r_01

mayu_r_06

mayu_r_09

「入り口の道」

峠の国道から少し脇に逸れたところ.
そこにそれがあることを
把握しているつもりでいても

その場所が制御や支配、自律など
到底出来るものではないことを
喉元まで突き付けられて
また刺すような痛みに捉われそうになる.

mayu_r_08

mayu_r_07

mayu_r_010

「路とセックスしている」
そう呟くのを聞いた気がするけれど
漏れる吐息と、温度の暑さ寒さとが
何処か遠くに感じてしまうのは
きっと外ならぬ自分が怯えているから.

ここで、この場所で自分がこれから綴る物語の、
その結末を知ることも、知らないことも
ただひたすら怖がり、いつも怯えている.

峠の国道から少し脇に逸れたところ.
いつもそれはここにある.

Model/mayu-ko.

3月も後半.
「MONOCHROME SHOW」も間もなく閉幕.
お知らせしたいこととか書き記しておきたいこととか
いろいろあるけれど、閑話休題.

観てもらえるとすぐ解ることだけど
僕の作品はほぼ全て、屋外でのものがほとんどです.

特にそれを意識して撮っているわけでもないし
室内でのライティング構成とかを不得意に
しているわけでもないですが
やっぱり作品として発表するものは
屋外、それも廃墟などのいかにもロケ地然としている
場所でもなくて、どこにでもある道の、路地の
ほんの少し逸れたところ…そういう場所をいつも
探しながら作品撮影をしています.

その場所が被写体を演出して映えさせることよりも
被写体を放り込むことでその場所を引き出させる..
というかそこで撮ったことによって
傷とか爪跡となって残り、意味を持つようになる…
ちょっと伝えにくいけれどそんな感覚です.

日々当たり前に往来する道の
そのほんの少し、逸れたところ
そこに被写体を放り込むことで
産まれ出て立ち上がって来る空気みたいなもの…

温度、湿度、寒さ、暑さ、苦しさ、痛さ..
そういうものにすごく惹かれます.

だから、作品撮影の移動している時間
被写体との交わす言葉から相手の想いを汲みながら
そこから繋がり、撮れる場所を見つけ出すまでの
短く、長い時間は、自分の感覚が
一番鋭く研ぎ澄まされている時なのかもしれません.

そしてそうやって見出した場所から放たれる気配は
いつも自分が予想する以上のものを孕んでいて.

こんなものをどうやって受け止めて撮るのかと
怯えながら茫然とするし、自分の手に負えそうも無いと
感じてしまうけれど、

そこで撮ることこそが何かを紡ぎ出すものだと思うから
また、この路の上に来てしまう.

それこそはきっと「入り口の道」なのだと思います.
前は解らなかったけれど今なら解る…
そんな気がしています.

それが例え、出口や結末の見えないものだとしても.
そしてそんな物語の続きはまた、もう少し後のことだけど.

2015/03/21 12:30 | hideki | No Comments