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2015/02/25

最近、コラムニストの太田さんと話題が近いこともありまして、今回も彼の投稿を受けての投稿になります。

太田さんのコラムはこちらフリューゲルホルンです。

この太田さんのコラムの中で「トランペットはタイプ違いが計6種類あります。」とありますが、実はその倍以上の種類が存在します。今回はその辺のことを書いてみようと思います。

だれでも知っている一般的なトランペット、コンパクトにまとまったコルネット、そして太田さんが投稿されたフリューゲルホルン、この3種類は共に同じ長さの楽器で、当然同じ音域で演奏することができます。なので、通常トランペット奏者が楽器の持ち替えで演奏すします。じゃ、なんで3つもあるの???というと音色が全然違うんですね。ジャズなんかだとパリっと決めたい曲などはトランペットを、優しく、メローで、しっとり歌いたい曲はフリューゲルホルンを…という風に曲調に併せて楽器の組み合わせを考えたりします。クラシックの場合、オーケストラなどでは、実はコルネットとフリューゲルホルンは「滅多に」使いません。吹奏楽(学校のスクールバンドみたいな形体のバンド)では、時々出てきますが。英国式ブラスバンドでは、逆にトランペットはまず使用せず、コルネットとフリューゲルホルンが独立したパートとして存在します。

さて、通常トランペット奏者が演奏するこの楽器たちですが、実は、仲間じゃないんです。人種、種族そのものが違う位に。トランペットはトランペット属、コルネットとフリューゲルホルンはサクソルン属といいまして、コルネットとフリューゲルホルンは「仲間」ですが、トランペットは仲間じゃないんですね、実は。

サクソルン属については次回語るとして、今回はトランペット属について。

ご存知のトランペットですが、特徴はパイプが円筒形、直管であること。円筒形でまっすぐのパイプ部分が比較的多いので、音がストレートに、パリっとしています。ので、よくファンファーレとか活躍します。パイプを曲げるとその分、息の流れや振動などなどが制限されてしまい、結果音は柔らかくなって、いや、こもった音になってしまいます。なので、例えばオリンピックのファンファーレみたいに、野外で、しかも相当広いスペースで、これでもか!!!というほどに華やかに演奏したい場合、究極的には一本の直線の管にしたい所。そこで、こういうトランペットが搭乗します。名前は「ファンファーレ・トランペット」(別名アイーダトランペット)

アイーダトランペット

こんなにスッキリと(笑)。ヴェルディの歌劇「アイーダ」の中で、ステージ上で演奏するためだけに作らせたと言われているので、アイーダトランペットとも呼ばれます。これを曲げると通常のトランペットになるんですよ。

その逆がポケットトランペット。太田さんの投稿の中にもあります。こっちはとにかくコンパクトに、持ち運びしやすいようにと作られた、いわばお遊び要素のトランペットでグルグル巻いてます。

ポケットトランペット

こんな感じです。グルグル巻にしても、管の太さが殆ど変わらない円筒管なのがトランペット属の特徴です。この3つとも、同じ音の高さの楽器です。

このポケットトランペットに関してだけは、正直な所、実用的とは言えません。ウケ狙いですね。

この他に、トランペットの管の半分の長さのピッコロトランペットというものがあり、バロック時代の「超」高音域のコンチェルトとかでよく使われます。

逆に長くなったアルトトランペット、バストランペットなども存在しますが、実際にはほぼ廃れた楽器で通常目にすることはありません。実はアルトトランペットなるものを所有しておりますが、今日本で寝てます。バストランペットはトロンボーンで代用したり、バストランペットであってもトロンボーン奏者が担当したりします。もう、トロンボーンでいいんじゃね?ってことで、今はめったに出てこないですが、オーケストラとかでこの楽器を指定している場合があるので、その際搭乗します。

とりあえず、トランペットの仲間はこんな感じです。太田さんのコラムの中でC管という記述がありますが、その辺に関しては次回に回します。なんか、楽器の事書いていたら、どんどん火が付いてくるというか、マニアックに語りだしてしまう。さて、誰の役に立つのやら…。

2015/02/25 09:00 | suzuki | No Comments