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地球の舳先から vol.352
東北(2015)編 vol.4
明日、東松島来れる?
そう声をかけてくれたのは、「東松島食べる通信」の編集長。
(「食べる通信」については前回の記事をどうぞ。)
東松島市は、「松島や ああ松島や 松島や」というふざけているとしか
思えない名句に出てくる「松島」のすこし先。
私が東松島に行きたい行きたいと言っているのを見かねた編集長が、
お使いになら付き合わせてやる!とアレンジしてくれたのだった。
松島から先、東松島市アンテナショップのある東名までは
震災の影響が強かったところで、いまも電車の代わりの代替バスに乗って向かう。
いつもFacebookで紹介されているので見覚えのある店舗に入ると
これまたFacebookで見覚えがありすぎて他人と思えない方が。
ひとしきり買い物をしてから車に乗り込み、「東松島食べる通信」で特集される
牡蠣漁師の阿部さんのいる奥松島水産の事業所がある港へ案内して頂いた。
外洋に近い東松島は、もっとも甚大な被害を受けた区域の一部であり
米軍の「トモダチ作戦」で知っている方も多いのではないかと思う。
ご自宅も被害を受けたというが、案内してくれた伊藤さんの案内は
東松島への深い愛情で満ちている。
雨の日だったが波は穏やかで、当時のことなど想像もつかない。
年末の忙しい中、牡蠣漁師の阿部さんに牡蠣漁について教えてもらう。
ホタテの貝殻に牡蠣の幼生を付着させ大きくなることも初めて知る。
だから、大量のホタテの貝殻が綺麗に並べて保管されていたのか。
「ホタテによくつくんです」と言われても、
なにも知らないわたしは「…?」である。
で、漁師さんも、「…えっ」てなる。すみません。
ホタテの貝殻につかまって水中で大きくなった牡蠣には
海藻やら小さい貝やらがたくさんついている。
小宇宙というか小地球で、感動する。
阿部さんの所では、過剰にこれらを洗い落とさないようにしているらしい。
「牡蠣の洋服みたいなもんなんで」…職人は言う事が違う。
生食用に出荷するものは、特殊な処理をするらしい。
なんだ、新鮮かどうかだけで決まるわけじゃないのか。
こういう人間がノロウィルスをつかまえるんだな、と我ながら思う。
命の学校である。海の命、だけでなく、自分の身を守る命。
試食にと貝をあけてもらってびっくりした。
よくその殻に入りきっていたね、というような大きさですごい食べごたえ。
冷たい水で締めるとまた味や食感がきゅっとしてこれまた美味しい。
こんな牡蠣を食べてしまったら、オイスターバーの牡蠣を
「縮んだ青い貝」と呼ぶ、いやなやつになりそうである。
帰りはいくつか東松島の名所を案内いただきながら、
伊藤さんに駅まで送って頂いてしまった。
「電車が通るんです」と、真新しい線路を指して教えてくれる。
6月には全線復旧するということで、貴重なバス体験だったのかもしれない。
綺麗な海に再訪を誓って、東松島をあとにした。
人を巡る旅は、つづく。
*この時は1週間ほど家に帰る予定がなかったので、阿部さんの牡蠣は後日蒲田で行われた物産展でGET。生牡蠣も勿論、よくダシをとった牡蠣飯も最高でした。
帆立も買ったけれど、元気すぎてあけるのに大格闘。じゅりあんのお菓子も美味。