« | Home | »

2015/02/12

376256_10150931192422106_862321168_n

マレー人の友達と久しぶりに会って、開口一番言われたこと。

「Tomoko、イスラム教嫌いにならないでね。本当にごめんなさい。」

 

あまりにも唐突で驚きすぎて、どんな顔をしたかすら覚えてない。

「??なにかあった?」って返したら、「ISILによる悲しいニュースを目にして、同じイスラム教徒として恥ずかしかったし、怒りが湧いてきたし、申し訳ない気持ちでいっぱいになったから。」って話してくれた。

 

マレーシアに住むようになって、宗教や人種というものについて考えさせられることが多くなった。

この国には、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、キリスト教が恐ろしく自然に根付いていて、みんながそれぞれの宗教を肯定もしなければ批判もしない。

ある意味、絶妙な距離感を持ってお互いがお互いを邪魔しないように生きている感じがする。

 

それはこの国に住む多民族多国籍な人種構成にも言えることで、マレー人、インド人、中国人、欧米人、韓国人、日本人、インドネシア人、その他の出稼ぎ労働者の人たち・・・みんながそれぞれのアイデンティティを守りながら、絶妙な距離を持って生活している。

 

アメリカなんかでもそうだけど、人種や宗教は現実的には決して融合しているわけではなくて、ただ共存しているだけなんじゃないかと思う。

お互いがお互いを邪魔しないように距離を持って、それぞれの価値観や信仰を大切に生きている。

そして、肯定もしないし批判もしない。

たぶんマレーシアに存在する多民族の平和さは、きっとこの共存ゆえの平和さなんだろう。

 

世界には沢山の宗教があるけれど、キリスト教もイスラム教も仏教も他の宗教も、時代と共に派生してそれぞれの宗派にわかれていった歴史がある。

それはまるで細胞分裂のようで、生物であれば必然としかいいようがない出来事なんじゃないかと思う。

 

悲しいニュースを見ながら、もっともっと宗教やそこにある歴史を知らなきゃいけないと思ったし、イスラム教全部が危険で恐ろしいという誤解が広がらないで欲しいと心から思った。

 

 

2015/02/12 12:12 | kagami | No Comments