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本番が終わってメンバーのお一人が
「本日の本番を最後にするんです」と女声メンバーに告げた。
話をきくと、
元々女声合唱をなさっていて、混声合唱はずっと憧れで近所で練習している団体を見つけたから入団してくださったのだが、曲数についていけずしんどいとのこと。
正直、経験者であっても自主的に音さらいや復習をしないと、余裕をもって楽しめないくらい曲数は多いと私も感じる。
特に、合唱団というのは女声の人数のほうが男声より多かったり、経験者が多いという傾向にあるが、ここの団は男声のほうが多いし、学生時代からずっと歌い続けている人数は年配男声の方が多いため、選曲にも自主練習にもストイックなのである。
自主的に楽譜と仲良くなれなければ、主旋律が多いソプラノであっても音が曖昧なままついてゆけず、和音や掛け合いを楽しむ余裕がない。
私は「歌唱指導者」という肩書きのもと練習に関わらせていただいているが、肩書きはただの肩書きで練習時間からして直々フォローに当たれず、そんな様子を目の当たりにしてもヤキモキしていたのだが…
そんな中、アルトの仲間が
「練習は楽しくないの?」とたずねた。
そうすると、「楽しいですよ」と涙を浮かべて
「女声と全く違った楽しみもあって、すごく楽しかったの。でも私は全く力に及ばない…」と。
「歌うのが楽しい、ただそれだけで私たちは練習来てるのよ?ついていかれなくても、みんながいるじゃない」と質問を投げかけた仲間。
合唱というのはメンバーの支え合い。
わたしは中学生から合唱というものを知っているけど、仲間がいてフォローしあうのも合唱。
確かに、クオリティの高い演奏を求めるにはアマチュア団体でさえ練習方針や指導方針を細かに定めてから活動を行う必要はある。
しかし根本から、「歌うのが楽しい」その気持ちがすこしでもあるなら仲間たちにすがってもいいのではないかと思う。
もどかしい気持ちでいたら、メンバーを苦しめていたようでいたたまれない。