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JAZZの譜面てどんなもの?と良く聞かれます。
譜面は基本的にはテーマのメロディーとコードがふってあるシンプルなものです。
まずはテーマのメロディーをその通り演奏し、最後まで行ったら最初の小節に戻り、コード進行と小節数を守りながら何度も繰り返して長ーく演奏することになります。そこがアドリブと呼ばれる部分。ですから全く何もないところから演奏するのではなく、コード進行と小節数という枠組みの中で自由にメロディーを展開していくのです。(この枠組みも無視して全く何もないところから演奏するのがフリーJAZZです)
大抵枠組みとなる部分はA4 1枚か2枚で収まる長さ、平均的には32小節程度です。なので、メロディーとコード進行を覚えれば譜面を見る必要もないし、比較的暗譜もし易いジャンルだと思います。
JAZZスタンダードと呼ばれる曲は1000〜2000くらいでしょうか?プロたるもの、毎日繰り返しスタンダードを演奏し続けるのだからこれらを数多く覚えてナンボ、みたいな風潮もあります。
もちろん私も大抵のものは覚えていますし、さらに歌の方は人によってキーも違うので、1つの曲をエニーキーで弾けるようにもしています。
覚えておかなければプロではない、と暗譜至上主義の方も結構いらっしゃいます。
ただ、私自身はそこまで暗譜至上主義ではありませんし、逆に譜面は重要で、どんな有名な曲でも自分がリーダーで演奏する時にはなるべく用意するようにしています。
それは何故かというと、コード進行を非常に重視しているからです。
JAZZ以外でもそうですが、一つのメロディーに対しては、様々な和声を当てはめることができます。そして、どんな和声を当てはめるかによって、個性が出てくるわけです。
お互いのプレイヤーがどっちのコードに行くのか、駆け引きを楽しむ、音のぶつかりを楽しむ、ということもできますが、そこに気をとられることなく、アドリブに集中したい、美しいハーモニーを重視したい、と思うと、譜面ではっきりさせておいたほうかよいわけです。
すなわちそれは、リーダーとしてきっちりと他のプレイヤーに方向性を示す意味で、譜面がとても重要だ、ということも示しています。
また、JAZZプレイヤーはセッション的に、初見や少ないリハーサル時間で演奏する場面も多いので、自分の譜面は「初めてこの譜面を見た人が迷わない、わかりやすい」譜面を目指しているつもりです。プレイヤー的目線で、どこに何の記号を書くと見落とさないか、目の流れが自然に流れる方向に書く、印はわかりやすく、複雑なものは避ける、etc…
そうすることによって、プレイヤーの自由度も尊重しつつ、譜面からの情報で自らの個性をサウンドで表現することもできるわけです。
だからJAZZの譜面は、たった1枚の小さなスペースに大切な情報が沢山詰まったそのプレイヤーの宝物でもあります。勝手に拝借したり横流ししたり、しないでね(笑)