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こんにちは。根本齒科室の根本です。
またまたアリバイ作りの駆け込みうpですみません。
以前、引っ越す前のマンションで、いきなりNHKが押し入ってきて辟易したことがありました。
ドアカメラで見たら、ゴニョゴニョ何かの調査のようなことを言っていたので開けたらいきなり
「ワン!ワン! えー、犬 (じゃなくて)NHKですが」でびっくり!
うちにはテレビはないので正直にないと伝えたら、なんとその人が言うには
「あなたは携帯電話を持ってますね。携帯にはワン!セグがあるので放送法で受信料の支払義務があります」で二度びっくり!!
大変困りましたが、たまたま「正解」の方法でお引取りいただいた形になりました。
じつは正解は2つあるようなのですが、もうひとつは後述します。
ひとつめの正解は、とにかく「そんなことを言われても困る」「とにかく困る」「お願いだからお引取りください」の一点張りで、無理やり押し出してドアを閉めてしまうことだそうです。私の場合がそうでした。
そのときは本当にびっくりして困ったので、本心からとりあえずお引取り願っただけなのですが、たまたまそれでよかったようです。
それは、そのあたりの法解釈がグレーゾーンだからのようです。
ネットで調べたのですが、やはりNHKに押しかけられた人が「ならおまわりさんを呼ぶ」といって本当に呼んだら、到着する前に犬(ソフバンのではない)が逃げ帰った、というエピソードもありました。
ちなみにもうひとつの正解は「iPhoneです」といってiPhoneを見せることだそうです。これでNHKも何も言えなくなるらしいです。工務店の担当だった方から教わりました。
ここがいやらしいのですが、iPhoneにはワンセグは入っていません。しかしAndroidには元から入っていて、しかもアンインストールできないのです。
少しも希望していないのに無理ヤリの抱き合わせ。
可能性として、受信料の一斉徴収の余地を残しているとしか思えない。
これがものすごく気持ち悪い。不公正です。
犬HK NHKのことです、いつ本気で「ワン!」ワン! ワンセグがあるので受信料の支払義務」と言って来ないとも限りません。
そして監督官庁の総務省がいつもNHK問題では腰砕けなのが情けない!
たとえば放送法を見てみます。よくあるやつです。
【放送法】
六十四条(一項) 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(略)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りではない。
の、ワンセグは、たぶんここに入ってくるんでしょうが、この限りではないではYesなのかNoなのか分からない。
ここばっかりはシンディもダサい感じでしたね。
公平公正の観点からも、NHKはさっさと
ワンセグのアンインストールを認める
B-CAS制度を廃止して、スクランブル有料化に踏み切る
べきですね。
私はつねづね「NHKの『国』『民』分割」と主張していますが、無料化部分は国営として税金で運営し(または『民』になったNHKから枠を借り)、民の部分はスクランブル解除料と広告で運営していけばいいのではと思います。
定時ニュースと天気予報、災害報道などは無料化、これらを除いて有料化した部分をスクランブルにして、閲覧希望者は有料でスクランブルを解除する。
早くそうして欲しいです。総務省の『身を切る改革()』に期待します。
この不景気に、職員の平均年収1780万だってw いいんですか?
話を歯に戻します
あなたがかつて歯医者さんに行ったとき、先生以外の女性スタッフが型を取ったり、銀歯の調整などをした、などという経験はありませんか?
ほとんどの人は、あると思いますし、いつもそうだと思います。
そしてそのほぼ全ての人は、一応いけない?!ことだろうと思っています
・・・本当はアレだけど、忙しいから仕方がない、と。
私も、よく調べてなかったんですが、どうも決まりで禁止されているようなので、面倒だと思っていました。
本当のことを言うと、この辺は大なり小なりどこでもやっています。
やってないのは、うち位なんじゃないでしょうか。
(院長に内緒でスタッフにたずねても、やってないと言うはずです)
で、今じつは一生懸命、そういうことの禁止法案を探しているのですが、いくら探してもなぜか出てこないのです。
一般的に言われる歯科のグレーゾーンは
助手や衛生士が
歯の型を取る
歯に仮の詰め物や仮のフタをする
銀歯などのかみ合わせの調整・研磨をする
銀歯などの余剰セメントを除去する
衛生士が
レントゲンのスイッチを押す
局所麻酔する
などです。
でも法律を良く見ても、レントゲン(診療放射線技師法)以外は、明文化されたものが存在しないのです。
麻酔すら(歯科医師でなければ麻酔してはいけない)という条文がないのです。
出てくるのは、「診療補助」と「診療介助」という、何ら法的線引きの根拠を持たない単語だけです。
そしてその単語の解釈も法的に定義されているわけではないので、個人個人で結構みんな違います。
【歯科医師法】
第十七条 歯科医師でなければ、歯科医業をなしてはならない。
第三十六条(中略)
二 前項の規定により厚生大臣の許可を受けて歯科医業中充てん、補てつ及び矯正の技術に属する行為をすることができる医師については、第三十四条第二項の規定を準用する
【歯科衛生士法】
第二条(中略)
一 歯牙露出面及び正常な歯茎の遊離縁下の付着物および沈着物を機械的操作によって除去すること
二 歯牙及び口腔に対して薬物を塗布すること
2 歯科衛生士は、保健師助産師看護師法(中略)の規定にかかわらず、歯科診療の補助をなすことを業とすることができる
3 歯科衛生士は、前二項に規定する業務のほか、歯科衛生士の名称を用いて、歯科保健指導をなすことを業とすることができる
第十三条 歯科衛生士でなければ、第二条第一項に規定する業をしてはならない。但し、歯科医師法の規定に基いてなす場合は、この限りではない
【保健師助産師看護師法】
第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行なうことを業とする者をいう。
第三十一条 看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。ただし医師法又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)の規定に基づいて行なう場合は、この限りではない。
2(略)
【診療放射線技師法】
第二条
2 (前略)厚生労働大臣の許可を受けて、医師または歯科医師の指示の下に、放射線を人体に対して照射(中略)することを業とするものをいう。
第二十四条 医師、歯科医師又は診療放射線技師でなければ、第二条第二項に規定する業をしてはならない
二 診療放射線技師は、第二条第二項に規定する業務のほか、[保助看法三十一条一、三十二条(等。中略)]の規定にかかわらず、(中略)検査(医師又は歯科医師の指示の下に行うものに限る。)を行なうことを業とすることができる。
という感じです。改めて見てみると変な感じですが、
「助手は口腔内に触れてはいけない」とか
↓
歯の型を取ってはいけない
歯に仮の詰め物や仮のフタをしてはいけない
銀歯などのかみ合わせの調整・研磨をしてはいけない
銀歯などの余剰セメントを除去してはいけない
レントゲンのボタンを押してはいけない ← 診療放射線技師法二十四条で規制
とはどこにも書いていません。
<1>誰でも補助できる?
たしかに看護師は保助看法三十一条で、看護師以外の人が「療養上の世話」とか「診療の補助」をしてはいけないことになっています。
しかし歯科衛生士法で制限されているのは、「第二条第一項(歯石やステインを取る/薬物塗布)」です。診療補助をするなとはどこにも書いてありません。
これでも自分なりに一生懸命ネットで検索したつもりです。
口腔内に触れる触れないと、助手・衛生士の違いみたいなものも、条文上のどこからも見えてきません。
もう少し見てみます。
<2>どこまでが、何がが補助か誰も分からない
そして肝心の「診療の補助」の定義すら、じつは誰もきちんと定義できません。
まあ、
「補助とはこれこれこういうことだと思われる」などという勝手な解釈はよく聞きますが、
なぜ○○がいけないのか
なぜ◇◇がよいのか
これらを一義的に説明できる概念が今に至るも公的に提示されておらず、結局はその場で役人が勝手に鉛筆ナメナメなのが現状です。
一番まずいザル法状態、なんでもお上のさじ加減な体たらくです。
また政権交代して▼▲党が政権をとったら、どうするのでしょうw
(ちなみに「民」という字は、古代中国で、逃げ出さないように目を突いて失明させてある奴隷のことを意味する字だそうです。「民主」~なんとも盲目的wな言葉ですね)
医科の診療補助で有名なのが、看護師の静脈注射問題です。
昔は、静脈注射は「行政解釈」で診療補助的にクロでした(昭和26年9月15日旧厚生省医務局長通知)。しかし9割以上の医院で日常的に黙認されて行なわれていて、司法判断でも認められていた現状でした。
これを踏まえて、「行政解釈」(平成14年9月30日厚生労働省医政局長通知)で、静脈注射はで診療補助的にシロになりました。
また、似たような感じですが、産婦人科の内診は「行政解釈」で診療補助的にクロのままのようです(平成16年9月13日同医政局看護課長通知)(平成19年3月30日同医政局長通知)。
「静脈注射はダメ」「やっぱイイ」」「内診はやっぱダメ」
このような一片の「局長通知」や「課長通知」で、グレーゾーンにあふれた「補助」という単語の範囲が広がったり狭まったりしてしまうのです。
どんだけ王様なんだって感じですよねw
ところで、少なくとも、歯科衛生士法では「歯科衛生士でなければ診療補助できない」とは書いてありません。歯科医師法に比べるとかなり詰めが甘い感じの表現です。
ここはしっかり指摘しておきたいと思います。
では、歯科での補助とは何でしょうか?
<3>取ってつけたような「補助」vs「介助」
もうひとつよく巷間言われるのが、衛生士は診療「補助」で助手は診療「介助」だということです。
補助はいいですが、介助とは何でしょうか?
さらに、助手が介助とか、誰が決めたのでしょうか?
そもそも「助手」と「介助」の2つの単語の間にどんな関係があるんでしょうか?
www
「歯科衛生士でなければ歯科診療の補助を行なってはならない」
どこにもそんなことは書いてありません(保助看法には書いてある)。
衛生士でなければできないのは「第二条第一項(歯石やステインを取る/薬物塗布)」であって、歯科診療補助とは書いてありません。
歯科衛生士の診療補助では、私見ですが
歯科医師法三十六条の二(充填・補綴・矯正~歯科医師の独占業務)
医師法で認められた業務(抜歯・小手術など)
が参考になりそうなので、直接の「充填・補綴・矯正・抜歯・小手術」はできないけど、それ以外のことは(「歯科医師の指導の下()に」)一人でできる余地がある、と考えられそうです。
ちなみに歯科衛生士の「本来業務」については、第二条に規定されています。
本来業務は、自分が主体となってやるものなので、歯科医師の診療補助とは違います。
あまつさえ、第二条の二 この「薬物」も結構拡大解釈を生んでいるようです。
薬物というと、薬理的作用(消毒や殺菌など)を期待して塗布する物質のはずですが、そうではない、いわゆる「材料」を「塗布」したり、挙句の果てには
型を取る
隣接を含むレジン充填をする
ことも合法、という解釈も生まれてきています。
私見ですが、レジン充填は直接の修復行為なのでやはり現在の日本では歯科医師法違反かと思いますが、型を取る行為についてはシロに近いグレーだと思います。
そもそも型を取ると、ほぼ100%技工所(か院内技工士)に出します。
削る行為は直接の治療行為ですが、型は、情報を技工士に伝える操作です。
「伝える」の上手下手はありますが、直接の治療行為と捉えるにはかなり遠いのではと考えられます。
なので、診療補助として本印象はアリかと考えますが充填はちょっと法律との整合性が・・・だと個人的には思います。
(でも、だからこそ法律や規則の方を改正してしまえ、というのが私見です)
では、介助とは何でしょうか?
診療介助とは、歯科医師(や歯科衛生士)の「横について」行なうアシストのことを指すようです。この「横について」が曲者です。
セメントや粘土を練ったりするのは横についてでいいと思います。しかし
バキュームは?
レジンの照射は?
印象(型取り)の保持は?
縫合糸の断端のカットは?
と考えると、今のところ、口腔内をタッチするにしても「『直接』手で口腔内を触れなければ良い」ということになります。何か道具を介在して触れるぶんには構わないですね。
あと、患者に触れない部分では「横について」という制約を受けないと考えられるので
銀歯や仮歯、入れ歯の研磨
はセーフだと考えられていると思います。
そうすると、アウトだと思われるのは
自分で型を取る
固まったセメントのバリを取る(セメントアウト)
などでしょうか。あくまでも
①直接手で触れない
②横について
が、いわゆる介助だとみんな思ってるんでしょうね。
<助手は介助のみ、という法規が存在しない>
でも別に、介助って、法的に規定された概念でも何でもないんですよね。
誰かが勝手に(この件とは別の件について)言い出しただけなんでしょう。
助手がやってはいけないと決められているのは「第二条第一項(歯石やステインを取る/薬物塗布)」であって、下手すると薬物塗布すらシロに近いグレーです。
こういうことを言うと法匪はこことぞとばかり「規制しろ」とバカの一つ覚えのように連呼しますが、ちゃんとお前ら調べて言ってんのかよ?勘だけで言ってんじゃねーよ、って思います。。
<以前の苦い思い出>
。。とはいえ、ちょっとまだコンセンサスも取れていないこともあり、変な噂を立てられたりするのもイヤなので、うちは頑張ってそういうことはしていません。
一度、元保健所で働いていた患者様に、そうと知らずインプラントを勧めたところ、後でおことわりの電話がかかってきたことがありました。その中で
「先生のところは助手に『上記のようなこと』をさせていないので、真面目な医院だと思いました。他のところはね、大なり小なり・・・私は元●●保健所で働いていて、そういうのを取り締まる側でしてね」などと言われたことがあり、大変驚いた経験があります。
そのときはどきっとして(ああ、取り締まられなくてほっとした)と思ったものでしたが、よく調べてみたら、禁止法がないんですよね。
こんど、そういうことを「法律違反だ」という人がいたら、「何法の何条のどこか教えてもらえますか?疑義解釈ですか?課長通知とかですか?」とたずねてみようかな・・・
こういうことも、少し分かっていれば、上記の患者様にもそのようにおたずねできたんだろうな、と思ったら、少し悔しくなりました。。
<以前の苦い思い出2>
また、これも変な話なんですが、新たに歯科助手の募集を出したりすると、経験者が応募してくることも当然あります。
そのときにいろいろ上記のことを聞いてみたりします。そのとき
「前の歯医者ではどうでしたか?」
と聞くと答えにくいと思うので、
「○○できますか?」「△△やったことありますか」
のような感じで聞いてみます。
すると彼女たちは割と「できます」「ひととおりは」などと答えたりすることが多いんです。
「ああ、●●歯科医院や▲▲歯科医院も、みんなやってんだ・・・」
でもうちは今のところやらないで踏ん張ってますけど。。
で、やっぱ、先進国なんだから、認めて欲しいよなあ。。
助手や衛生士が
歯の型を取る
歯に仮の詰め物や仮のフタをする
銀歯などのかみ合わせの調整・研磨をする
銀歯などの余剰セメントを除去する
衛生士が
レントゲンのスイッチを押す
局所麻酔する
これらが実現できるような歯科業界にするためにこそ、岩盤となっている障壁(と一部法律)を、安倍さんか誰かがドリルになって砕いて欲しいもんです(塩崎厚労相氏では心もとないような・・)。
したら1分間30万回転くらいで冷却水なしで回してやろうかw
【今回のまとめ】
現在少なくとも歯科では、診療補助と介助の法規的線引きが存在しない。
(おまけ)
どなたか、本件における課長通知・局長通知・疑義解釈などの仔細な資料・エビデンスをお持ちの方は、こちら(mailtoタグ)までご教示いただければ幸いです。