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2014/11/30

ベレン・トメアスー訪問記② ブジャルーでバルサに乗り遅れ 14/11/17  サンパウロ新聞WEB版より 

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ブジャルーのバルサは満杯で1船乗り遅れることに
 翌9月20日午前7時、ベレン市のバスターミナルからトメアスー行きのバスに乗車。梅田大使一行が、同地に正午ごろに到着し、昼食後にトメアスーの日系団体及びブラジルの各施設や第2トメアスー移住地を訪問すると聞いていたので、事前にトメアスー文化農業振興協会の乙幡(おっぱた)敬一アルベルト会長に連絡し、同日午後0時半に協会前で待ち合わせすることになっていた。
 ベレン~トメアスー間はこれまでバスで何度も行き来した経験があり、20年前の土道とは違ってここ10数年で道路は奇麗に舗装整備され、ベレンからトメアスーまで4~5時間もあれば余裕で到着すると思っていた。しかし、この考えが甘かった。
 ベレンからグァマ川を渡るバルサ(いかだ)のあるブジャルーまで普段は約1時間強で行けると思っていたが、予想以上に時間がかかり、同地に着いたのが午前9時過ぎ。おまけに、バルサには既に数多くの大型車が満載状態で、着岸していたバルサには結局、バスは乗ることができなかった。
 バルサは約1時間ごとにしか運航せず、バスの運転手に聞くと、次の午前10時のバルサに乗るしかないと両手を広げた。さらにトメアスーの到着予定時刻を聞くと、早くても午後1時になるという。一瞬、頭の中が真っ白になった。
 「乙幡会長との約束時間に間に合えへんがな」―。
 今時不思議に思われるだろうが、記者は携帯電話というものを持っていない。慌てて、近くの壊れかけた公衆電話(オレリョン、今や死語か)に走ったが、案の定壊れていて通話ができない。仕方なく、次のバルサに同乗したブラジル人に「金を払うから、携帯電話を貸してくれ」と言うと、「番号を言ったら、コレクトコールで掛けてあげる」と言われ、仕方なくそれに従った。
 「あー、乙幡会長ですか。バスが午前9時のバルサに乗れずに、そちら(トメアスー)に着くのが午後1時ごろになるというので、約束の時間に間に合わないんですよ。すみませんが、後から追いかけますから、先に(予定先に)行っておいてください」と伝えると、「分かりました。CAMTA(トメアスー総合農業協同組合)のジュース工場には午後2時まで居ますから、それまでにジュース工場に来てください」と乙幡会長の憮然とした表情が頭に浮かぶ声が耳に響いた。
 「まあ、こうなった以上、慌てても仕方ないやろ」―。
 そう自分に言い聞かせて、はやる気持ちを抑えた。
 バスは午前10時のバルサに無事乗ることができ対岸へと渡り、トメアスーに向けて再び走り出した。しかし、途中の道沿いで地元民を何回も乗車させるので、バスの中は通路も含めて満員状態に。一応エアコンは付いているのだが、熱気で暑さが増してくる。
 それでもトメアスーには無事、午後1時前に到着した。
 まずは翌日ベレンに戻るバスチケットを購入。汎アマゾニア日伯協会で事前予約してもらっていたホテルに荷物を置くために投宿しようとするが、その場所が分からない。地元のブラジル人にそれらしきホテルを聞いてみるが、首を横に振るばかり。5年ぶりのトメアスー訪問でベレン市在住の人から「そのホテルはいい所ですよ」と聞いていたので、そちらに予約してもらったが、肝心の場所が分からないのでは話にならない。きちんとホテル名を聞いておかなかったことを後悔したが、「後の祭り」。そうしている間にも時間は刻々と過ぎていく。
 仕方ないので、以前泊まった目抜き通り(ジオニシオ・ベンテス通り)沿いの安ホテル(1泊40レアル)に泊まることにして必要のない荷物を置き、梅田大使一行が訪問中と思われるCAMTAのジュース工場へと向かうことにした。(つづく、松本浩治記者)

2014年11月15日付

2014/11/30 07:19 | wada | No Comments