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2014/11/23

秋の深まりもそろそろ終息を迎え、見上げていた鮮やかな紅葉は今は皆足元

に敷き詰められている。

深い森の中を歩いていると雪がちらちらと舞ってきた。

いよいよ本格的な冬がやってきたな・・・。

ひっそりとした森の中で時々静寂を破るのはナキウサギの声。

この2日間、冬眠前のヒグマや真っ白な冬毛に覆われたオコジョなんかを探して

森の中をあちこち徘徊したが、残念ながら出会うことはできず・・・。

途方に暮れながら山奥深くに棲む野生動物に出会うのは本当に難しいと実感する。

masayuki_yamada_20141123_1

野生動物の姿を待ち続けた後、先ほどの甲高い鳴き声を辿ってナキウサギの姿だけ

は見ることができた。

初冬を迎えた森は日暮れも早く午後4時には暗くなり始める。

その薄暗い森の中で一頭のキツネが立っているのを見つけた。

そして足元には小鹿が倒れている。

masayuki_yamada_20141123_3

間違いなく捕食中であったのだが、キツネはこちらの存在に警戒したのだろうか、

小鹿を置いて一目散に林の中に消えてしまった。

もちろんこの獲物を諦めるはずが無いと思った僕は、捕食シーンを捉える為に

カメラを準備して少し離れた場所で身を隠して待ってみることにした。

30分後、思った通りあのキツネが戻ってきた。

しかし、残念ながら捕食することはなく、小鹿の存在だけを確認してまた藪の中へと

姿を消してしまった。

かなり警戒心の強いキツネだ・・・。 

masayuki_yamada_20141123_2

その後も待機を続けたが、次第に日が傾き始めて午後5時を回った頃には森は一気に

光を失っていった。

目を凝らさなければ目先の木の葉も見えないほど闇と静寂に包まれた頃、ふっと息が抜け

て全ての集中力が切れた。

やむなく諦め、この夜は森の奥深くで就寝した。

そして翌朝、わずかな期待を持って昨日の場所を訪れてみたのだが、やはり倒れていた

小鹿の姿はどこにもない。

暗闇を待って獲物を持ち去ったキツネに完敗だった。

 

 

 

 

 

2014/11/23 02:42 | yamada | No Comments