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皆さん、おはようございます。
ぼんち版椿姫の概要が決まりつつありますので、
主だったところを情報公開していきたいと思います。
まず日時は2015年5月15日(金)夜・・・なんか5の倍数ばかりですが、
場所はサロン・ドゥ・アヴェンヌ、北新地です。
指揮と演出は私、梵智惇声が担当します。
ヴィオレッタ(マルグリット)は水津葵香子、
アルフレードは前田満、
ジョルジョ・ジェルモンは山崎享、
フローラは松浦小夏、
ドゥフォール男爵は大西信太郎、
ガストン子爵は神矢匡、
アンニーナは山口慧
・・・てなあたりですが、コンセプトをまとめましょう。
ナレーションで繋ぐ、とはいうものの、
いわゆるハイライト上演ではありません。
ジプシー占い師と闘牛士の場面はカットしますが、
それ以外は初演版にて全部やります。
ただし、3幕のデュエット「パリを離れて」は
2幕フィナーレの間に配置転換します。
これは、原作のプロットに従った処置です。
つまるところ、
これはヴェルディのオペラ「ラ・トラヴィアータ」の上演ではなく、
デュマ・フィスの「椿姫」を、
ヴェルディの音楽を使い、ナレーションによって
原作になるべく近づける形で再構成した、
いわば音楽劇であるとご理解下さい。
原作者デュマ・フィス、
台本作者ピアーヴェ、
作曲家ヴェルディ、
指揮・演出ぼんち
以上4人の合作と思っていただければよろしいかと。
上のキャストで、ヴィオレッタの横に括弧付きでマルグリット
と書きましたけれども、
ヴィオレッタを源氏名として捉え、マルグリットを本名と解釈します。
人々は・・愛人であるアルフレードさえ、ヴィオレッタと呼び続けます。
このこともアルフレードの性格付けの材料としたいと思います。
アルフレードには、やはり虚栄心があるのです。
このトップの女を愛人にし、しかも裏社会から救い出した、
というプライドが・・・。
1幕では、ヴィオレッタのいる社会がどんなにひどいものか、
ということを感じていただきたいと思います。
ヴィオレッタが花から花へを歌っている最中、
現れて愛を訴えるアルフレードを、
裏社会のAV撮影クルーが半殺しにする、という
極めて生々しく、ショッキングな場面を展開します。
ここでナレーションを挟んで、
内容は2幕に移ります。
2幕までの溝を埋めるのが目的です。
次のアルフレードのアリアを挟んで、そこで休憩です。
ですから、幕ごとの分類よりは、2部構成に仕立て直しています。
2部はそのままフローラのパーティでのギャンブルまでやりますが、
その後、アルフレードがフローラを新しい愛人にし、
種々の嫌がらせをヴィオレッタにしていく件を、
ナレーションによって繋ぎ、
それを止めるためにヴィオレッタがアルフレードに哀願し、
一夜を共にする場面に「パリを離れて」を移します。
それでも嫌がらせをやめず、裏業界のパーティに出入りし、
ストーカーまがいに振る舞うアルフレードを呼び出して話すところから、
2幕フィナーレの後半になります。
そこではアルフレードがヴィオレッタを皆の面前で罵倒し、
ギャンブルで稼いだ大金をぶちまけますが、
口ではアルフレードを非難しながらも、
ドゥフォール以外の人間は散乱するお金を拾い集め、
20ルイを残して、あとは懐に突っ込んで退場、
その残り少ないお金の中で始まる第3幕・・・
という展開です。
実際のヴィオレッタはバッカナールの合唱の間に息絶え、
死後の意識が見る妄想としてその後の和解シーンとなり、
最後はアルフレードやジェルモンが死の報せを受け取って幕となります。