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地球の舳先から vol.342
チベット(ラダック)編 vol.7
今回の旅の目的は、3か所あった。
まずはラダック。そして、インド・パキスタン国境のワガ。
そして、チベット亡命政府のあるダラムサラ。
とにかく空港セキュリティの厳しいインドだが、ラダックはさらに複雑。
機内まで持ち込む自分のバッグには自分でセキュリティタグを巻く。
1個につき1個。ちょっとしたエコバッグも許されない。首にかけたカメラも同様。
でないと、せっかく列に並んでも「取ってこい」とやり直しさせられる。
当然水など持ち込めないだろうと、セキュリティチェックの前で
一生懸命一気飲みをしていたら、「それは持って行っていい」と声をかけられる。
X線をくぐらせてタグにスタンプとサインをもらうと、今度は預けた荷物を見に行って来い
といわれて、スーツケースが集まっている屋外に出される。
荷物の番号を照合して、またサイン。何の儀式かわからない。
搭乗時にはまたテントの中で二度めの身体検査、タグのチェックとサイン。
搭乗券には座席番号とは別に手書きの番号が振られていて、
別の係官がその番号を照会する。またサイン。これも何なのかわからない。
一体、飛行機に乗るまでに何人のサインが必要なのか…
大きな銃を両手で構えた兵士に見守られながら席に着く頃は「ふぅ…」である。
でもとにかくわたしがテロリストだったらこんなところ選ばない。
そういう意味では守られている、ためのシステムだとも思うので文句は言わぬ。
一旦デリーを経由して、インド・パキスタン国境近くのアムリトサルという地へ向かう。
このデリーの乗り継ぎがまたよくわからず、国内線ターミナルへ行くと
国際線カウンターでチェックインをしろと言われ、半信半疑で国際線の行列へ並ぶ。
しかも、「これ、このまま入国審査するの?おかしくない?」と地上スタッフに言うと
「一番端にある、イミグレーションカウンターへ行け」と言う。
半信半疑で、でも搭乗券とパスポートさえあればもう飛行機に乗ったようなものなので
その二つを持ってなぜかイミグレーションカウンターへ行く。
ここでスタンプを押されて、入国審査の列を抜かしてセキュリティチェックへ。
ああもう全然わかんない!外国人だから?
で、セキュリティチェックを終える頃にはすでに疲れて、携帯を忘れてくる。
トイレに行ってから気付き、「マジか~あたいのスマホ…」と意気消沈しながら
セキュリティチェックのレーンまで戻り、レーンと忘れ物オフィスを3往復していたら
諦めていたけれど出てきた。おお、インド。
ようやく椅子に座って、朝から久々のビールを飲む。
銘柄はインドのKingfisher。こいつはインドの国鳥で色々なモチーフになっている。
ビールの味がする。どこぞのGODFATHERとはだいぶ違う。
国営のAIR INDIAはよほど人気がないのかほとんど人が乗っておらず
しかし余っているのか国際線用の超大型ジェットで、
国営なのに権力もないのか出発から1時間ほど離陸できずにタキシング。
そして目的地へ着いてからも全ての預け荷物をはき出したのは到着から2時間後…。
声を大にして言いたい。
インドへ行ったら、国営に乗るな。LCCにしろと。
しかしインドでは非常に日系の航空会社の評判も悪い。
インド人に「日本の航空会社は遅れるから絶対乗りたくない」と言われているほどである。
(確かに帰りの飛行機、ANAは2時間、JALは6時間遅れてまだ飛ぶ見込みが立っていなかった。日系神話などもはや日本人が思っているだけの都市伝説なのかもしれない。)
ああ、疲れた。
しかし旅はこれから。
ようやく、「インド」が始まった気がしていた…。