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2009/12/20
フレーミングについて~ Part2 of 3
映像は常にフレームの中にある。モニターの四角い中にある。当たり前のことのようだが、視聴者はそんなことを考えてみてはいない。
映画の巨匠のひとりとして知られるアルフレッド・ヒッチコック監督はフレーミングとカット(Aの画がBの画に切り替わる意味)の執着した人だったといわれている。彼の有名な話だが:まず視聴者に中年男が無表情から笑顔になるシーンを見せる。そして続けざまに公園で子供と幸せそうに遊ぶ女性を見せる。視聴者はこの男が子供の好きな心の優しいジェントルマンだと感じる。実験はこれからだ。次に、先ほどと全く同じ男性の画を見せる。先ほど同様男は無表情から笑顔になる。男の笑顔の次にくるショットはビキニすがたの若い女性(実は先ほどの母約の女優)。視聴者は男をスケベな中年オヤジと思う。ここでヒッチコックは映像をカットする順番でオーディエンスに与える印象を操作できるということをある程度語っている。しかし僕は思う。カットの順番が大事という以前に何をフレーミングするかでその印象はさらに変わるのだ。その時ヒッチコックが例に出したビキニの女性はフルショット(全身が映った画)だった。しかしもし彼が女性のお尻にカメラをズームインさせたなら視聴者は中年男が女性のお尻の見つめていると思うのである。つまりこの中年男は若い女性のお尻が好き、という印象になる。これが女性のウナジだったりすると多少あからさまなスケベ根性が抑えられる可能性だってあるかもしれない。
続く
(次回27日 日曜日 )
2009/12/20 07:00 | 未分類 | No Comments