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2014/10/16

先日、懐かしいCDを買って、久しぶりに聴いて、そしてタイムカプセル的な感覚を味わいました。

アマゾンで、中古で見つけたCDです。

一時期、半年間とか1年間とか、割と長いスパンでめちゃくちゃヘブィにローテーションしていた1枚なんですよ。

しかし以後、ぷっつりと聴かなくなっていて。

とあるJ-POPです。

それをよく聴いていたのは、25歳くらいの頃(20年以上前ですね。1991年発売作品です)。

レコード会社から送られてきた、サンプルのカセットで聴いていました(自分で購入したものではないのです…)。

ぼくは大学卒業後ずっと出版社で編集の仕事をしてきたんですね(会社は何社か変わりつつ)。

で、雑誌にCD紹介ページがあったりすると、毎月、レコード会社からたくさんのサンプルが届くんですよ。

で、気になるものをもらったり。

当時は、サンプルはカセットでした。

世の中的には、アナログレコードからCDへと完全に移行し終わった的な時代だったと思います。

CDの初登場からは10年近く経った頃です。

ちなみにぼくは、自分のリスニング環境をCDに移すのが比較的遅かったほうだと思います。

中古盤、輸入盤で音楽を聴くことがほとんどだったので、レコードのままで良かったんです。

中古盤と輸入盤は、アナログレコードのほうが多く流通していたんですね。

ところがぼくが23歳くらいの頃ですかね、ついにタワーレコードの売り場のほとんどがCDに変わってしまい…。

というわけで、遂にCDプレーヤーを購入せざるを得なくなりました。

そうすると同時に、カセットデッキが必要なくなっていきました。

カセットは、自分のレコードを家以外で聴くために必要だったりしていたんですね。

カセットに落として、外でウォークマンで聴く、みたいな。

しかしCDに移行した後は、CDウォークマン的なものを使えばよくて、テープに落とす必要性が低くなっていきました。

ちょうどその頃、家のカセットデッキが寿命を迎えたということもあり(次のカセットデッキは購入しませんでした)。

しかし。

クルマの中は、以後の数年間、カセット環境のままでした(カセットとラジオだけの環境)。

というわけで…(だいぶよこ道にそれたのですが…)。

サンプルのテープは、クルマの中で聴くためのソフトとして活躍したのです。

(その数年後には、サンプルも徐々にCD化が進んでいきますが…)。

さて。

このような状況により、家で聴く音楽とクルマの中で聴く音楽がまったく異なる、という時代がその後何年か続きます。

家ではブラジルものとかジャズとかを中心に聴いて、クルマの中ではなんだかよくわからないJ-POPを聴く、みたいな…。

とは言っても、月に1本か2本ですかね、持ち帰るサンプルは。

サンプルで送られてくるものは、これから売り出そうとされている有名になる前の方の作品が多かったんです。

しかし、たまに掘り出しもの的なのも混ざっていて(自分比)。

今回の1枚もそういうタイプのものでした。

自分的にはよく知らなかったのだけれどお名前はよく目にしていたので、ちょっと聴いてみようかな的な感じで。

ところが聴いてみたらば妙にクセになり、しばらくはそれだけを繰り返して聴くことになった、という次第なのです。

『PSY・S』(サイズ)という2人組みユニットの『HOLIDAY』というアルバムです。

ぼくは、『PSY・S』のアルバムは、これしか聴いたことがありません(通算9枚発売されているようですが。件の作品は通算7枚目のオリジナルアルバムです)。

で。

クルマに乗ればそればかり聴いていたのですが、テープが寿命を迎えたのか何なのか、その1本がクルマの中から消えてからは、その作品はぼくの中で完全に封印されました。

街で流れることありませんでしたし、テレビで見かけることもありませんでしたし、買って聴き返そうという発想も起こらずに…。

思い出すことも希でした。

ただ2曲目は特に好きで、その曲のことは希に思い出すこともあったのですが。

で、今はYouTube時代。

先日その曲のことをかなり久しぶりにふと思い出し、YouTubeで探してみたんです。

しかしクリアなオリジナルバージョンを見つけられず。

そしてアマゾンで探してみたらば…。

見つかりました。

中古でなんと「1」円…(送料350円…)。

届いて聴いてみました(サンプルカセットで聴いていたので、ジャケはまったく記憶になし)。

2曲目以外はすべて忘れていました。

でも、それぞれの曲が始まるごとに、「おー、これこれ」とそれぞれを明確に思い出していきました。

まるで、乾燥しきったワカメが水に浸されて元に戻っていくかのように…。

(もっと良い例えが見つからず…)。

長いスパンでヘヴィローテーションしていたものなので、具体的な思い出が蘇るということよりも、

その頃の時代が、当時の感覚が、匂いとか、埃っぽさとか、食生活の貧しさとか(今もか…)、なんかすべてが蘇ってきました。

乾燥しきったワカメが水に浸されて元に戻っていくかのように…。

というわけで、今回もまた相当に聴いています。

そしてまた、完全に封印してみようと思っています。

また20年くらいたったら聴いてみます。

そしたら、2つの時代が蘇るのかな、どうなのかな。

(その前に死んじゃったりして。いや、生きるけど)。

押忍

2014/10/16 12:03 | ohta | No Comments