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2011/04/02

新年度が始まった。

我々にとっては、1月1日よりも、4月1日のほうが「年が変わった」感があって、なんだか気合が入る。メラメラ燃えるものを感じる。ウキウキする。これからの1年にワクワクする。恋の予感もする。いや、しない。

いろいろ体制が変わって、館長が定年のため退職なされて、副館長が館長になった。次の館長はおれだと思っていたのに、非常に残念・無念・まぁ当然?だ。

そして新しいスタッフが入ってきて、なかなかやる気に満ちたイイ子。5万人に1人いるかいないか、と言われている「伝説のスーパー水族館人」になれるかどうか、は我々の育て方と彼女のセンス次第。

水族館の人というのは総じて生き物の育て方は習得していても、ヒトの育て方はカラッキシだよ三級品の一休さん状態ということが多いので、気をつけねばならん。イイ水族館人に育って欲しいナァ。

人事も変わって、ぼくは平民から飼育展示の副主任になった。世間から見たらスピード出世だけど、なんとも無念で、館長でなければ副館長でもなく、主任でもない。副主任。しょべぇ。

副のついた主任。学校で言ったら表面的には舎弟だが、ウラでは校長の座を狙って日々花壇の手入れをしている教頭、というイメージ。

副委員長、副議長、副業、復讐、腹痛、服役、と「ふく」の付くものはあまりいいものがない。副が付いて唯一優秀なのは、カレーに合うフクジンヅケくらいなものであろうに。

そして、本来主任に上がる方が副主任残留で、ボクも副主任に上がったため、主任空位の副主任2人という形になった。本当は副主任を飛び越えて主任になるつもりだったけど、力不足だった。ガツが足りなかった。反省。

しかし、副主任が2人という、これにはボクシング暫定王者のようでメラメラ燃えるものがある。通常、ボクシングでは王者が空位の場合、統一王者決定戦である。減量も順調、スパーリング100ラウンド以上消化、KO勝ちしてやるぜ、負ける気がしねえぜ。(なんのこっちゃ)

今までは、やりたいことができなかったり、理不尽な理由でことごとく却下されたりして、結構くすぶって、校舎の裏でうんこ座りをしてタバコを吸ってツバを吐いている様なことが多かったが、一応役職が付いたので自由度が広がった。下の子たちにいろいろ自由に活発に働いてもらいたい。

しかし、じゃぁボクはカメレオンを飼う!とかワタシはゾウの研究をする!とか言われても困るので、統一目標は決めた。みんな登る山の目指す頂上が同じなら、どんな登り方どんな道で登ってもOKとしたい。ただし楽するヤツはゆるさんぞぉ。

これからは、飼育<展示という考えを色濃くしていきたいナァと思っています。このコラムでもよく書いているように水族館のシゴトと言うのは実は飼育は大前提で、本当の仕事は「展示をして伝える」ということです。そのため、下級生の子たちにそれを意識した仕事をしてもらえるようにしていきたいです。

例えば、極端な話し、どこかの店屋さんで服の展示をしたいけどどうやったらいいのでしょ?まんじゅうを売りたいけどどうやって並べて売ったらいい?と言う時でも、ホイホイ~と行って、展示技術や手法を使って、ショーケースにうまい展示が出来ちゃうくらいの技術をみんなに持たせたい。飼育員なのでそれはムリです、というのではなく、展示担当なので、やってみましょうか?という返事ができるようにしたい。

生き物の飼育は覚えれば誰でも出来る。いまコレを読んでいるアナタでも、やる気があれば可能です。イルカやアシカのショーも可能です。しかし、展示は飼育よりも技術や勉強がないとできないものだと思います。

これからの水族館はうまく飼育するというのはもはや時代遅れで、うまく展示していかにお客さんに伝えるか、です。そのためにうまく飼育するのは大前提です。水槽からいかにお客さんを笑顔や幸せにして何かを感じて得てもらえるか、だと思います。

そして、今年度の入館者数が目標値を下回ったら、

「男性職員は全員ボーズ」

という公約も作ったのだ!

毎日ダラダラ仕事をしていてもしょうがないので、気合を入れるためにスタッフの戸舘くんと提案して通した。職員内だけでの決め事だと、達成できなかった時に言い訳するヒトが出ると困るので、正式公約として「公表」した。ホームページにも掲載したし、マスコミリリースもする。

表面的には副主任だけど「ウラ番長」目指して働きまくるので、そこんとこヨロシク!っという感じです。

2011/04/02 06:58 | kobayashi | No Comments