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2014/08/07

 

10月22日 AM10:37 東京駅の待合室に着いたのは10時半過ぎ。

香里は朝、起きてからの段取りが悪く予定よりも 30分も過ぎてしまった。昼食用の弁当を買ったが、頭の中は霞がかかったような半分、寝ているような、そんな感じである。今日は雨だというのに旅行者でいっぱいの東京駅はごった返し、風邪が流行っているのか、マスクをしている人が多く、みな、少し疲れ切ったような、そんな姿が見受けられる。

数年前までは東京駅に着いたらウキウキしていたものだが、その後の香里の生活には喜びや嬉しいといったようなオレンジの気持ちは何処かへ行ってしまった。その当時、付き合っていた友人達ともあることをきっかけに会わなくなり、その後も続いている友だちともいつからか疎遠になってしまった。音楽を共にしていた友人たちはそれぞれの音楽へ旅立った。香里だけ、大好きだった音楽を手放し仕事も家も、そして友人たちも自ら手放したのだ。たった1週間ほどで。それは嵐が過ぎ去るように。あの時のことは鮮明に思い出すことができるがそれ以前のことは思い出すことが出来ない。なぜだろう。昨日も思い出そうとしたが全く闇のままだ。一種の記憶喪失なのかもしれない。それともあれは躁状態だったのだろうか。いつも何かに追い立てられるような「やらなければいけない」と誰かの声が聴こえてきそうな、焦る一方で口ばかり偉そうなことを言い、自分を守り、へとへとになっていたのは間違いない。

2014/08/07 01:37 | shiho | No Comments