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ピアノは低音域から高音域を備えた、幅広い表現ができる楽器です。一人でオーケストラの音を表現できるとも例えられています。
それゆえ、一人で演奏することが多い楽器でもあります。
クラシックをやっていた頃はほとんどがソロ。コンサートもコンクールもソロでやることが多いですし、他の楽器と演奏する時は「伴奏」という形になることが多く、あくまで脇役(色々異論はあると思いますが)。他の楽器と合わせたり、オーケストラとやる機会もありましたが、ピアノソロ用の楽曲が膨大なこともあり、まずはその楽曲たちに取り組むことで精一杯。基本は孤独な戦いでした。
ジャズをやってから、ジャズの現場ではソロよりもアンサンブルのほうが主流だと知って軽くカルチャーショックでした!
もちろんジャズの演奏の現場でも、BGMからライブに至るまで、ソロピアノの要請は多いですが、それはぶっちゃけ大半が予算の問題で、多分本当はバンドを呼びたいんだろうな、という依頼が3分の2くらい(笑)
その反面、演奏者の中にもソロピアノが好きでその世界を突き詰めたいという人も多いようです。ようです、と書くのは私自身は今のところあまりソロピアノにそれほど魅力を感じていないかかも…。
ソロピアノはなんと言っても自由自在に音楽の方向性を決められるフレキシブルさがあり、ピアノの魅力も最大限に伝えられる、そんなよさがあります。
でも私は多少不自由でも、ひとと一緒に作る音の中で自由さを楽しみたい。そして他の楽器と演奏することでピアノの魅力が一層引き立つように演奏したい。そう思うのです。
その中でも特にトリオ(ピアノ、ベース、ドラムス)という編成に拘っているのは何か理由があるのか、良く聞かれますが…。まあ一番の理由はより自由に自分のサウンドを濃く描きたいという理由だと思います。人数が多くなれば表現されるカラーが多様になります。フロントプレイヤーが入ることでそのプレイヤーのカラーが加わるのも楽しいですが、今は自分のサウンドを深めたい時期なのだと思います。かと言ってベースとドラムスがそのサウンドに色を加わるという役目だけではなくて、それぞれが独立した3つの楽器として表現しつつ調和したり反発したりしながらそれぞれの役割を果たす…そんなトリオが出来たらいいな。と思います。
このことにも通じますが、ソロピアノの仕事があってもなくても、ピアニストとして独立してジャズが出来る力量というのはつけて置くべきだと思います。一人でSwing感を出す、テンポキープしながらも自由に遊ぶ、そういうことが出来ていないと人と演奏した時に誰かに頼った演奏になってしまうので。(もちろん安心して他人に任せるということも必要なのだけど)
まあ結局何よりいままで孤独なことが多かったから、人と演奏するのが楽しくて仕方がないのです。