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拝啓
暑いですね。 暑くて脳が溶けそうです。 今週末は、商店街で「こども夜店」を手伝っていました。 豊橋の人は、どんだけ夜店が好きなんでしょう。 学校も夏休みに入ったからか、お陰様で大盛況でした。
学校といえば、校区(小学校区、中学校区)のお話。 校区といえば、一般的には、住んでいる場所からどの小学校/中学校に行くかを決める線引です。 しかし、豊橋ではそれ以上の意味を持っています。
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1.地名である。
豊橋で生まれ育った子どもたち(通称、とよはしっ子)にとって、校区は地名です。 特に運動部や、少年野球などに所属し、試合でいろんな学校に行っていればなおさら。 具体的な町名は知らなくても、脳内にはぼやっとした校区マップが存在しています。
「この前セブン-イレブンでさー」
『どこのセブン?』
「栄(さかえ・校区名)のセブン」
『あー、あそこ』
このくらいならいいのですが、なんと豊橋市からの防災・防犯連絡も校区名で来ます。
———- 転送メッセージ ———-
From: 豊橋ほっとメール
日付: 2014年6月26日 16:01
件名: 注意喚起情報●市内で車上ねらい(未遂を含む)が多発しました
○発生日時 平成26年6月24日(火)~25日(水)
○発生場所 牛川・豊・松山・つつじが丘・牟呂・花田校区
○発生状況 駐車車両の窓ガラスを割って、カバン等が盗まれる車上ねらいが多発しました。
※車内に荷物を置かないようにするなどの防犯対策をしましょう。豊橋市役所 文化市民部安全生活課
0532-51-2303———- 転送メッセージ ———-
From: 豊橋ほっとメール
日付: 2014年6月17日 8:21
件名: 【出没情報】サルにご注意ください!本日6時50分頃
豊橋市南部・南陽・本郷・高師校区(幸小学校付近)において、サルが目撃されました。周辺住民の方々は以下の点に十分ご注意ください。
サルに遭遇したら、騒がずに静かに離れましょう。
刺激を与えなければサルは襲ってきません。
校区名を地名として使うこと、もはやオフィシャル。
僕みたく豊橋で生まれ育った人にとっては馴染みがあり、町名よりも直観的にわかるからありがたい。 けれども、大人になってから豊橋に来た人、特に子どもがいない人にとっては、わかりにくいだろうなぁ。 グーグルマップとか、校区名で検索しても出てこないし・・・
あ、豊橋では、年数回くらいサルが出るみたいです。
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2.コミュニティである。
これは特に小学校区の話。 驚くべきことに、”豊橋 小学校区” で画像検索する出てくる校区マップ、出処が教育関係じゃありません。 老人会と自治会。
– 出典:豊橋市役所ホームページ
http://www.city.toyohashi.lg.jp/13558.htm
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現在、豊橋には約38万の人口に対し、52の小学校区があります。 1小学校区あたりの人口が5,000~10,000人といったところ。 離島山村などの人口と比較しても、このくらいが1つのコミュニティとして成立する上限なのかとも思います。
では、小学校区単位で何が行われているかというと、すぐに思いつくのは校区の運動会。 学校の運動会でなく、大人も参加する町内対抗、校区内の運動会です。 更にその上に、校区対抗の運動会もあります。
また、豊橋では、市議会議員が校区代表のような扱いで、よく「あの人は◯◯校区の市議会議員さん」という言い方をされます。 そして、校区代表といえば、豊橋まつりを彩る『クイーン』も小学校区ごとに選出されます。
そして、僕が最も「コミュニティ」を痛感したのが、成人式。 豊橋では成人式が小学校区単位で行われます。 もちろん、会場は各小学校の体育館。 僕はこれが当たり前だったのですが、自分が二十歳になったとき、全国各地から集まる大学の同級生に聞いても、そんなの豊橋だけでした。
でも、僕はこれがすばらしいと思っています。 同じ年齢というだけで、たくさんの誰彼わからない人たちが集まるより、5年ぶりに同級生らと濃い時間を過ごせたのはよかったです。 特に僕の中学当時はまだ携帯が普及しておらず、連絡が途絶えていた友人が多かったので。 その成人式には小学校時の恩師も参加くださいます。 そして、2次会はだいたい中学校区単位でやるみたいです。 うちもそうでした。
逆に校区が違うと、道一本隔てているだけで、近所付き合いがなかったりします。
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3.アイデンティティかつヒエラルキーである。
これはどちらかというと中学校区の話。 高校に入ると、急激に初対面遭遇率が上昇します。 そのとき、最も無難かつ会話の糸口になるのが「お前、何中?(なにちゅう:何中学校?)」 これは、大人になった今でも使え、中学校名を聞けば、同じ歳なら、共通の友人(相手の中学同級生&自分の高校同級生)をかなり見つけられ、一気に距離を縮められます。
そして、おそろしいことに、中学校区には暗黙のヒエラルキーが・・・ すごく、大雑把に言うと、
- 中心市街地(豊橋駅周辺)>郊外
- 古い土地(路面電車沿線など)>新興住宅地
- 線路より東>西
アメリカ合衆国よろしく、歴史のある地域(米なら東海岸)は校区が小さく、周辺部や新興エリアに行くほど(米なら西海岸)は校区が広いので、とてもわかりやすいですね。
– 出典:東愛知新聞ホームページ
http://www.higashiaichi.co.jp/kurasi/kurasi_bousai/anzen_map/anzen_mn.html
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トップオブ校区は「豊橋の城」と書く、豊城(ほうじょう)中学校で異論がないでしょう。中部中学(第2のまちなか)の人を除いて。 豊城校区は、市役所に隣接し、校区内に城跡である豊橋公園を擁しています。 何より驚いたのが、学芸会を豊橋市公会堂(重要文化財)でやると・・・これを聞いたとき、「ホウジョウ、お前がナンバーワンだ」と、僕の中で、中部vs豊城戦争に幕が下りました。
ちなみに、うちの母が豊城出身で、口癖は「生まれたときから下水が通っていた」「練習試合いつも向こうから来てくれた」。 これが僕を含めた郊外っ子に対する、まちなかっ子の認識です(被害妄想)
豊城、中部に続くのが、第3のまちなかである羽田(はだ)。 ここは大部分が西側エリアですが、羽田八幡を擁しています。 豊橋三大祭である羽田祭りで、年に一度、駅前の目抜き通りである広小路を封鎖して神輿で攻め上げ、松葉公園を占領して、手筒花火を上げに来ます。
あと、周辺部にも関わらず、なぜかアイデンティティが強いのが、二川(ふたがわ)、多米(ため)、石巻(いしまき)です(多米のみ小学校区)。 二川(JR東海道線の駅がある、宿場もあった)、多米(峠がある)、石巻(山がある)のが、その拠り所かと。 ちなみにいずれも、東側諸国。
そんな西側郊外っ子の僕は、中学のときに、近くに日本一のシネコンができて「ここは、豊橋の副都心」とほくそ笑んでいました。
嗚呼中二病
敬具