« 超スーパー生産者さんのところへ | Home | ワールドカップ »
結婚披露宴のオーソドックスな進行では、新郎新婦の2人が入場して、乾杯の発声が行われる前に、主賓からのご挨拶があります。
お1人からだけのこともあれば、新郎側と新婦側それぞれの主賓のお客様から挨拶をいただくこともあります。
また、乾杯の発声を行う方も、主賓と同じ様に挨拶をされる場合があります。
そして、宴席の後半などで、余興と同じ様な枠で行われる列席者のお話は、スピーチなどと呼ばれます。
(※主賓の挨拶のことも“スピーチ”と呼ぶこともありますが、このコラムの中では前半の主賓が行うものを“挨拶”として話を進めます。)
じゃあ、結婚披露宴において、挨拶とスピーチって何がどう違うの…?順番が違うだけ…?
必ずそうだというわけではありませんが、傾向として挙げられることとして、やはり“主賓”と呼ばれるくらいですから、前者の「挨拶」は、新郎新婦どちらかあるいはお二人にとって、仕事上の上司だったり恩師だったりと、目上にあたる人が静粛な雰囲気の中で行うことが多いです。
後者の「スピーチ」は、皆様お酒の入っている中、気心の知れた友人などが、割と軽い雰囲気で冗談を交えたりしながら行うことが多いと思います。
稀に、余興の時間のスピーチを頼まれたつもりでいて、フランクな雰囲気で話す予定だったのに、当日披露宴会場に行ったゲストが、そこで初めて主賓の挨拶だと知って、急に緊張してしまった…なんて話を伺うこともありますが、別に挨拶だからといって、畏まる必要もないかと思います。
主賓の挨拶の中で、ユーモラスなことを言われて、会場から笑いが起こることだって珍しくはありません。
僕の実感ですが、披露宴前半で行なわれる挨拶によって、お2人の人物象が、打ち合わせでお会いしたときよりも、明確になってくることがあります。
司会者としてお2人のプロフィール紹介を行なうために、お2人ご自身から、過去のエピソードなど色々前情報をいただいてはおりますが、その挨拶のお話の中で、「え、そんなことがあったの…?」と初対面の印象からは想像のつかないエピソードを耳にすることもあります。
挨拶をするのが、ご勤務先の中でとても偉い人だったりして、その人がとても明るい雰囲気の人だったりしたら、職場自体が明るい雰囲気の中で、楽しい毎日を過ごされているんだろうな…と想像出来たりします。
お2人から披露宴の招待を受けて、挨拶やスピーチを頼まれたときに、「何を喋ったら良いのか…」「何か気の利いたことを言わなければならないだろうか…」と悩まれてしまう方も少なくないと思いますが、お2人に対するご自身の印象や、思い出深いエピソードなどを、あまり飾らずに、ご自身の言葉でお話しいただければ、それがそのままお2人の印象に繋がるのではないかと思います。
結婚披露宴の場というのは、新郎新婦お2人が、自分がどんな人達に支えられているかを実感する場でもあると思いますが、挨拶やスピーチでいただく言葉の中に、それが集約されていると言えるかもしれません。
次回は、「後見への道」(古典芸能)をテーマにしたコラムをお届けします。