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国民投票法改正案が衆院で可決
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140509/k10014328871000.html
改正法の施行から4年後に投票年齢を18歳以上に
引き下げること柱とする、国民投票法の改正案が衆院で可決されました。
波乱がなければ参院でも可決され、2018年から18歳に投票権が与えられます。
こちらのニュースを受けて
「選挙で、18歳以上が投票できるようになる!」
と思った方もいらっしゃるようですが、(憲法改正などの)国民投票に
おける「投票権」と、各種選挙における「選挙権」は別物ですので、
これをもって選挙権が18歳以上に引下げられるわけではありません。
ただし、どちらも『参政権』の一部であり、この年齢が異なるのは
法的に整合性が取れませんから、これから公職選挙法における「選挙権」も
引下げに向けての調整が具体的に始まっていくことが予想されます。
憲法改正に至るまでの様々な与野党の思惑はあれど、
若い世代に参政権が拡大していくことを、まずは寿ぐべきだと思います。
そもそも、参政権が20歳以上の国は、もはや世界において完全なマイノリティです。
基本的に参政権はどの国も「成人」に与えられるものですが、
世界187の国地域のうち、実に140以上が18歳以上を「成人」としています。
先進国と言われるOECD各国でも、20歳を成人としているのは日本のみです。
成人を20歳以上としたのは、それほど論理的な根拠がないとも言われています。
強いていえば「キリがいいから」なのでしょうが、確かに各国もかつては
20歳以上を成人としている国が多くありました。
しかしながら、教育水準の向上や1960年代からの学生運動の高まりを受けて、
イギリスやドイツ、イタリアなどで次々と成人の年齢が18歳に引き下げられました。
我が国における学生運動時に、なぜかこうした「成人(=参政権)」の
引下げ議論が起こらなかったことは不思議でもあります。
誰かが都合でも悪かったんでしょうね。既得権層や、古い政治家とか。
安倍政権が、おそらく若年層を取り込めると目論んで第一次政権から推し進める
この改正の機運は、私たち若い世代にとって一隅のチャンスです。
参院での可決、その後の公選法の改正まで、注目し続ける必要があるでしょう。
もちろん、参政権を引き下げたからといってすぐに
政治が変わるわけではありません。若者の低投票率に対する一定の効果が
期待されますが、これだけで劇的な変化が起こることはないでしょう。
せっかく18歳、つまり高校三年生が投票にいけるようになるのですから、
高等教育における政治・民主主義の教え方を再考するべきです。
特に
「政治=なんかヤバイもの、触れちゃいけないもの」
という強烈なイメージを払拭するためには
あらゆる手立てを講じる必要があります。政治の話を学生同士が行うことは、
なんら恥ずべきことでもヤバイことでも本来ないのです。当然ながら。
こういう感じで、楽しく本質的に学べるカリキュラムがあるといいですよね。
どうして、選挙にいかなきゃいけないの? -よいこのみんしゅしゅぎ-
http://otokitashun.com/blog/daily/3109/
今回の改正案をきっかけにオトナの皆さまも、
学生や子供たちと政治について、話し合ってみるのはいかがでしょうか。
それでは、また次回。