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タイタニック
【Taitanic】1997年
2度も映画館に行っておきながら、タイミング悪く完売でまだ観れていない
『アナと雪の女王【Frozen】』、TVや映画館の予告が流れたり、
ラジオで主題歌の『Let it go』を聴くと、
何故か『タイタニック』が頭に浮かび離れず、久しぶりにDVDを観ることにした。
“ターミネーター”でも“エイリアン”でもなく、
この映画でジェームズ・キャメロン【James Cameron】監督の名前を覚える。
映画館で2度観をしたのは、アル・パチーノの
『エニイ・ギブン・サンデー【Any Given Sunday】と思っていたら
1997年の“タイタニック”の方が先だったことにも気がつく。
わざわざ街で一番大きいスクリーン(のはず!)の映画館で観た記憶が鮮明で
巨大なタイタニックの映像も、今でも空気感がある楽曲も、あの時の感動が湧き上がる。
今の家のモニターが11インチ程と極小なのに、ステレオどころかモノなのに
あの時、巨大スクリーンのある、あの広い劇場に座った気分になる。
五感が覚えている人間の記憶と、涙腺の条件反射とは面白い。
ストーリーが、というより映像のすごさと音楽の組み合わせへの感動、
そして今見ても何故か涙が出てくるから不思議だ。
一体何に感動しているのか、分からないのに泣ける。
いつもみたいに言葉を拾うと、
感動のバランスが崩れてしまいそうなところを、頑張ってみる。
ざっくり言うと、貴族社会のローズと、一般階級のジャックの悲恋バナシである。
きっともう、ネタばれ、なんていう最新作でもないので終盤のシーンから。
沈没したタイタニックから、凍える海に放り出されたふたり、
ジャックがローズを励まし、そしてどんなことがあっても生きろと言う。
Promise me now, Rose.
約束してくれ
And never let go of that promise.
守ってくれるね?
そして、通りかかる救助船が、ローズに気がつかず通り過ぎようとすると
彼女の手を握ったまま生き絶えたジャックの手を振りほどき、船を追う。
海へと沈んで行く彼に、そして自分に、ローズは繰り返し言い聞かせる。
I’ll never let go. I promise
あききらめないわ 絶対に
物理的に手を話すことをlet goとも言え、それに反するように約束を破らない、
never let goと言う、そのlet goの対照的な表現に心打たれる。
あ!なるほど、“アナと〜”の主題歌、“Let it go”がここのletにつながるの?と、
ここで思い当たる。きっとだいぶ使い方も意味も違うのだろうけれど、
自分の気持ちに正直にそして懸命に生きる、という部分は同じココロを感じる。
とにかく何よりも、主人公ローズ【Rose】が、諦めず、生き抜き、子をなし、
長くその過去を語らなかった、ヒトの深いところでの強さ、に、
何故そこまでするのか、と思う反面、大なり小なり人は皆ソレを持っていて、
そしてそこになんの理屈的な理由がなくココロだけがある、ってとこが
もう泣くしかないから、泣くだけ。
1997年とは、2001年NYの同時多発テロを経験する前でもあって、
あの時タイタニックが沈没する様を見て、まさか今、ワールドトレードセンターから
木の葉のように舞う人と、ビルが崩れ行く映像を思い出すとは想像もしてなかった。
アメリカに住んだ11年を塗り替えるように、帰国してからの生活も12年となり、
本当にあの土地にいた、という記憶も風化され、自分でも本当か疑わしいのに、
あの劇場の椅子がやけにリアルに思い出されたり。
いつの間に、自分の中にソンナコトが積み重なっていったのだろう。
でも何も抗うことはできず、本質は変わらない。
ただ、そこにココロはあるだけ、永遠の謎です。