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2014/04/29

「海の幸」は日本人の食に欠かせないものです。夏になると毎週のように海に通うフリーダイバーにとっては、さらに身近なもの。
こんな風に集中している様子でも・・・

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「今日の練習終ったら、シメサバか・・それともアジの叩きか・・」

頭の中ではたいてい、そんな思考が渦巻いています。海に通う楽しみの一つは美味しい海の幸を食べることですからね!

普段、都会生活を行っていると、食べ物とは「料理」「食品」の姿していますが、海に入ると「今目の前を泳いでいる魚」「目の前に生えている海藻」これが食べ物なのだ、という当たり前のことを実感します。

「魚」は刺身や切り身ではなくて、ウロコに覆われて海を泳ぎ回る生物。
「私たちは生き物を食べて生きている」という現実を実感することが出来ます。

●「第4回Marineトークショー」
さて、先日参加した「第4回Marineトークショー」のテーマは
「海のいきもの。食べる。食べられる。」
まさにこのことがテーマでした。トークショーを主催した「Marin Action(マリンアクション)」は「いつまでも生命溢れる美しい海で潜りたい」というフリーダイバーみみずんこと岡本美鈴選手の一アスリートとしての強い思いから生まれた活動。海洋生物や海洋保全に向けた調査研究等を行う「エバーラスティング・ネイチャー(ELNA)」さんと様々な海洋保全活動を行っています。

さて、今回のトークショーでは3名の講師がそれぞれの海との関わりから、「海」と「食べる」ことについてのお話。

まずはELNA小野澤さんより「ウミガメが食べる。そして食べられる。」

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ウミガメは種によってどんなものを食べているのか、そしてどんな生き物に食べられているのか、というお話。周りを取り巻く様々な条件によって食べられるかはたまた生き残れるのか変わってくる、という壮絶なウミガメと生態系のお話。小野澤さんは、おっとりとチャーミングな語り口で解説して下さいました。

続いて、美鈴選手・・・「潜水チャンピオンが見た海の中の生態系」

フリーダイビングの競技の話をする機会が多い美鈴選手ですが、今回は「御蔵島でイワシの補食シーンを素潜りで間近で見た(間近どころか群れに巻かれながら)」という激レアな話をこれまた超レア映像と共に!!海がざわざわとうごめく様子、本当にゾクゾクしました!!(残念ながら映像も写真も著作権の関係で転載が出来ません・・)イワシの群れに巻かれる美鈴選手、一瞬でカツオに食べ尽されてしまったイワシの大群・・・何十回と御蔵島に通っている私でも、こんなシーンには出くわしたことがありません。みみずん、やっぱり「持って」ますね。ともあれ、いつも食べているカツオのタタキ定食がとてもドラマティックなものに思えました。

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※写真:ダイブショップテール、千々松政昭氏:2013年6月マクタン島(今回のお話とは関連しないのですが、イワシの大群がどんなにスゴいか!!という光景をお伝えしたくてプロ海中カメラマン千々松さんに許可頂き写真を掲載しています。この群れが全て食べ尽されてしまうのです・・!千々松さん、ありがとうございます!)

○そして最後はメイントーク!全日本さば連合会会長、小林崇亮氏による
「サバニストが語る“さば”の世界」

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その名も「サバニスト」である小林さん。あくまで「一消費者」として鯖(鯖缶含む)を愛する視点から鯖づくしのお話を粛々と語って頂きました!私も「シメサバ」をこよなく愛する一人ですが、期待以上の最高にユニークな、サバとサバを巡る日本文化のお話の数々!特別高級魚ではない鯖という魚。正に日本の魚の代表格と行っても良いのでは??とすっかり、「サバ」に洗脳された私でした。

●魚尽くしの懇親会
さて、「海の生き物を食べる」ことについて様々な確度から勉強した後は実践「魚を食べる」懇親会。

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漁業関連、海洋保全関連、魚料理人、サバニスト、フリーダイバー・・・海と魚と食に関する様々なプロフェッショナルたちが集結!!

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サバニスト小林さんと、富戸沖の極上の真サバ(市場には出回らない上物)の
サバショット!

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一見普通のお寿司ですが、「サメ」のような珍しいネタもあります。

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いとう漁港の日吉船長さんからは、こんなに大きな鰤を贈呈!
(料理人の森山さんが持つと大きさが際立たないのですが・・^^;;)

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目の前で薄く捌く技、見惚れます!お刺身って芸術です!

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凄腕料理人の森山さん、日吉船長さん、仲買人長谷川さん。穫って買い付けて捌く、
カッコいい魚男子三人衆!

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そして、サバニスト小林さんとロッキー松尾さんによる「サバンド」の熱唱で夜は更けて行きました♪

●「生き物を食べる」「命をいだたく」ということ
こんな楽しい会でしたが、海産資源、漁業、捕鯨、自然保護、などが自然に話題になり時に真面目にも語り合いました。
「魚を食べる」ということ。「生き物をいただく」ということ。
高級なお寿司であっても、サバ缶であっても、それは同じです。

私は、自分で初めて素潜りで銛で魚を突いて穫った時の強烈な感覚を思い出しました。
それは、体調20センチ程度の小さなカワハギでした。さっきまで、目の前で泳いでいたおさかな。
目玉からしっぽの先まで、全て全部を残さずに、美味しく頂きました。

そんなことを思い出しながら「海の恵み」というものを改めて考えながら、
改めて、海に囲まれて、海が大好きな人たちと繋がって、
これからもずっと海と関わって行きたいなあ・・・と思った夜なのでした。

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      photo by Masaaki Chijimatsu, kosuke okamoto

2014/04/29 07:26 | yukimuto | No Comments