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絶賛、魔笛稽古中です。
今朝、とってもモヤモヤしたので。
先月の個人レッスンで、この稽古が始まる前に師事する師匠に不安を漏らしたこと。
「せっかくまた身の丈にあってない団体でキャスティングされたが、
期待はされてないにしてもやっぱりこいつはそこまでじゃなかったか、とガッカリされるのではないか。
やっぱりダメだったかと思われる諦めと、
いや、そんなはずはない!過去の同じ役をやった自分よりの遥かに成長しているはずだ、という自分の向上心。
その二つがハーフハーフでせめぎあっている。」
そこでピシャリと言われたことは
「誰もね完璧なんて求めてないし、あなたにそこまで期待はしてないのよ。
そりゃ、求められた以上のことをしてやろうという欲はだれにでもあるけど
等身大のもの以上は期待してないから、そんなに怖がる必要がない。
そんなに不安なら最初からオファーを受けるな。役に失礼。
キャスティングしたのは先方。
身の丈に合わないのにキャスティングしてもらったことをむしろ、ラッキー!と思わないのか。
そもそも、身の丈にあう舞台の仕事なんか一つもないんだし。
なんであなたを起用したか、とか考えたことはある?」
私はすかさず、「若さと将来性、吸収力です」
「だったら、それを望んでるんだから。もともと足りない技術に関してあーだこーだ悩みなさんな。
もってるものしか舞台上では出せない。持ってるものを全部出しなさい。」
という流れでした。
その言葉を胸に、音楽稽古を経て立ち稽古に入ったところですが
私は自分を卑下した気持ちを以前よりは持たないように稽古に励みました。
ゼロでいることは…もちろん無理でしたが。
全体的に若手がキャスティングされています。
ふと耳にした噂は合唱の出演者には、ここ数年で公演された旅公演のソリストの方々や、本公演出演されている方々がいらっしゃるということ。
自分の役をもっともっと研究されている方が同じ舞台に立っているというプレッシャーは大きいです。
私は直接は耳にはしてないのですが
若手のキャスティングに疑問や不満をもっている方が少なからずいらっしゃるということ。
それは当たり前のことです。
ただ、その方々に納得してもらうために稽古を っていうのは私は違うと思います。
それこそ、師匠の「あなたにそこまで期待してない。」という言葉が突き刺さります。
内部が納得しないなら、外部のお客様はもっと厳しい感想をお持ちになる、というのも。
作品の中でどんな役割を担っているのか、どうテキストをよみこむか
同じ役でどれだけ同じ方向性、音楽性を進めるか、ほかのシーンを誘導できるか。
それがまず根底にあってから、本物のアンサンブルができるのだと思うのです。
うまく歌ってやる!という気持ちだけではアンサンブルにならないのです。
人がどう思うとか、考え始めたら、気にする部分がぶれてきます。
自分に与えられたものを大切に考えて実行することに重きを置きたいと思います。
団体の作品に関われることは光栄なことでもあり、プレッシャーもあります。
絶対に「いいものを」という気持ちはもちろんのこと。
若手だから許されるだなんて1ミリも思ってないですし
若手だからこそ今の持っていることできることを十二分に発揮します。
だから、稽古は作品と役に対する200%の気合と集中力
100%の実力を本番で可能にすると私は信じています。