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2014/03/20

皆さん、おはようございます。

無人島に何を持って行くか、
とはベタな質問ですが、
もし、無人島に何のオペラのスコアを持って行くか、
○冊選べ、と言われた場合、
そこにはやはり考慮の余地があります。

もし3冊から5冊くらいの数字を言われたら、
迷わずモーツァルトのダ・ポンテ3部作と魔笛、
というあたりになるだろうと思います。

では1冊だけと言われたらどうするか。

有力候補の筆頭がコジ・ファン・トゥッテです。

お前、フィガロが好きなんじゃないのか、
というご意見が飛んでくるでしょう。
ごもっともです。
コジを持って行っても、
きっとフィガロを持ってこなかったことを、
後悔する日はやってくると思います。

それでも、コジを持ってきたことそのものを
悔いることはまずないだろうと思うのです。

では、他の作品のデメリットを申し上げましょう。
端的に言って、上演欲求が出る作品だ、ということ。
例えばフィガロとかドン・ジョヴァンニとかというのは、
発見とかアイデアとかが尽きない作品です。
魔笛も同様でしょう。
で、この発見やアイデアの出現によって、
それを他人に見せたくなるんです。
なぜって、社会的メッセージだから。
少なくとも私の持っている、
これらの作品に対するイメージはそういうものです。

この点、コジと私との関係は、
ドイツリートと私との関係に似ているのです。
それは、思い至ったことを必ずしも
他者に披歴する必要はない内容の作品だ、
という点においてです。
コジの扱っている問題は、極めて個人的です。

私の取り扱うドイツリートも、
シューベルトの「水車小屋」「冬の旅」、
シューマンの「詩人の恋」が中心となっており、
そこにあるのは個人的な話ばかりです。
何か発見したところで、
口で他人に説明すれば十分満足できることばかりで、
自分で歌って悦に入ることが十分可能です。
コジはこれとよく似たものなんです、私にとっては。

3月19日は私の誕生日でした。
その最初の瞬間を、下記に掲載する公演のための
字幕原稿を打ち込む作業をして迎えました。
36歳になりましたから、
モーツァルトの没年齢を越したことになります。

私のコジ、これは自信作です。
精神をズタズタに切り裂いて作りました。
是非ともお越しください。
メンバーも精鋭です。
ご予約は直接お店にお電話下さるか、
私まで、メッセ、メールなどで下さい。

4月12日(土) 11時開場 ・ 13時開演
ほわっとオペラ第45回公演
モーツァルト/歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》
全2幕原語・字幕付

フィオルディリージ:水野昌代
ドラベッラ:西田安希
フェランド:島袋羊太
グイレルモ:井元孝弥
デスピーナ:松本真奈
ドン・アルフォンソ:大西信太郎
演出・指揮・字幕:梵智惇声
ピアノ:石原綾乃、小林聡子
他 

5,900円 (お食事付き)

Tel:06-6855-8303
大阪府豊中市桜の町6-10-3 T’sビル2F

2014/03/20 12:57 | bonchi | No Comments