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僕がパフォーマンスを作る際、「メタ」という言葉をよく使います。
「メタ」というのはとても汎用的な言葉。
wikipediaによれば、「メタ(meta-)とは、「高次な-」「超-」「-間の」「-を含んだ」「-の後ろの」等の意味の接頭語。」
という意味らしいです。
例えば、漫画の主人公が
「俺ってなんで主人公なのにこんなに影薄いんだろう?」
……のように、「自分が漫画の主人公であることを理解している」ような発言のことを「メタ発言」と言います。
週刊少年ジャンプで連載していたSket Danceあたりによく出てきましたね。
我々の世代で「メタ」というと、こういう使われ方なんじゃないでしょうか。
トレーディングカードゲームなどでも「メタ」という言葉を使います。
カードゲームは、とても多くの種類のカードの中から自分の使いたいカードを選び、「デッキ」と呼ばれる一まとまりのセットを作り出します。
この「デッキ」で相手と勝負するわけですが、
たくさん対戦が行われると、「強いデッキ」と呼ばれるものが確立していきます。
すると、みんなこの「強いデッキ」を使うようになり、似たような「強いデッキ」が蔓延します。
そして、その「強いデッキ」を打ち破るために作られるデッキが「メタデッキ」です。
みんな「強いデッキ」を使っているので「メタデッキ」はとても勝率が高くなります。
すると、だんだん今度はその「強いデッキ」は使われなくなり、「メタデッキ」が使われるようになってきます。
そして、今度はその「メタデッキ」をメタるデッキが流行って……
カードゲームには、このような「流行り」「廃り」があるところが一つ面白いところです。
僕はロードオブヴァーミリオンというカードゲームをやっていましたが、
「チャイナデッキ」や「ラクシュミーデッキ」が流行った頃はひどかったな。なかなかメタることもできなくって。
まあ、もちろん強い人は勝てていたんだろうけれど僕はそんなに強くなかったので。
閑話休題。
さて、実は上でつらつらとよくわからない文書を書きましたが、
実はこれも「メタ」を意識して書いた文書です。
「週刊少年ジャンプで連載していたSket Danceあたりによく出てきましたね。」
「僕はロードオブヴァーミリオンというカードゲームをやっていましたが……」あたりがそうです。
Sket Danceという漫画は、週刊少年ジャンプでもかなり長期にわたって連載された漫画で、アニメ化もした漫画です。
この記事を読んでいる人の中にも読んだり、アニメを見たことがある人がいると思いますが、
主人公であるボッスンはキャラが薄いことを気にしているという描写があったりします。
Sket Danceというタイトルを出したときに、主人公であるボッスンの顔が出てきた人がいたとしたら僕のメタは成功しています。
一方、ロードオブヴァーミリオンというカードゲームは、ゲームセンターで稼働していたゲームですが、
プレイ人口はそこまで多くありません。
(少なくとも、「ロードオブヴァーミリオン」をやっているときに知り合った友人以外でこのゲームをやっている人言う人には出会ったことがない。)
「チャイナデッキ」「ラクシュミーデッキ」という言葉を出しましたが、
「うんうん、そうだよねー」「いやいや、それはあんたの腕がないからで……」
のように思った人はこの記事を読んだ人の中にはいないんじゃあないかなぁと思ってます。
この文書は、
「この文書を読むであろう人の中にSket Danceを知っている人がいて、ロードオブヴァーミリオンを知っている人はいないであろう」
という推測のもとに書かれた文書です。
面白いかどうかは別として、
僕はパフォーマンスを組む時に、このような「メタ」を多用します。
(日常生活でもメタを使うことがとても多い。)
お笑い芸人がやる
「あるあるネタ」というのは「メタ」そのものです。
「Junk Stage ライターあるある!」とか言って、「月末になるとあわてて更新をたくさんする!!」みたいなことを書いたとすると、
この文書を読んだ桃生さんなんかは転げまわって笑っているはずです。(そういうことにしておいてください。)
ただ、実際にはそのような狭い範囲を対象とした「メタ」はせず、
例えば「中学校あるある」「理科室の水道の勢いはすごく強い」のように、万人に対して通じるネタを用意するのが一般的です。
(対象がマニアックすぎたり当たり前すぎて「あるあるネタ」としては成立していないシュールさを売りとしたものもあったりしますが、
それは『「あるあるネタ」とはこういうもの』 ということをわかっている人をメタっていると言えます。)
「メタ」ははまると強力で、それこそ「あるあるネタ」のように「メタ」のみでネタを構成することができてしまいます。
しかし、逆にはまらなければそのネタが面白いのかどうかすらわかりません。
僕がやる演技というのは、
「お客様がある程度●●というものを知っているであろう」状況を想定して、ということになります。
流石に、全般通してそうではないし、「メタ」のターゲットにならない人にも楽しんでもらえるような工夫はしてありますけれどね。
これがいいとも悪いとも言えないですし、上手い人も「メタ」を使う人もいれば、使わない人もいます。
ただ、「メタ」を多用する僕の立場からすると、「メタ」を使わずに万人が笑うようなパフォーマンスができるのは凄いなぁと思います。
何の結論もない文書ですがとりあえずメタというものがどういうものか、ということをとりとめもなく書いてみました。