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2014/01/19

まずは皆さん、あけましておめでとうございます。
華麗なるA型インフルエンザに彩られた年末年始を乗り越え、
とにかく13日の「こうもり」を終わらせて、
やっと新しい気分になることが出来ました。
本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、16日より「コジ・ファン・トゥッテ」の稽古が始まり、
4月12日に向けて快走していきたいと思っています。
稽古をした所感を。

数人のキャストで私の頭の中にある音楽を、
実際に鳴らしてみたわけですが、
そうすると私がかなりのロマンチストであることがわかりました。
実際の演奏の仕方がドロドロのモダン奏法、
というわけではもちろんありません。
使っている方法論はバリバリのバロック・古典の奏法。

しかし、その論理を最大限に駆使した結果、
鳴った音楽が相当にロマンティックなものになったのです。
もっとも、それはロマン派音楽なわけではありません。
すぐ目の前にロマン派があるのに、
その一歩手前でガラスの壁に遮られているような感じ。
行きたいのに行けない。
心はロマン派にあるのに、身体は古典派の領域ギリギリ。
そんな感じの切ないものになります。

ところで、テンポと表現について書いておきましょう。
いわゆる「よくあるテンポ」に比べて、
私が遅いテンポをとっている時というのは、
これはフィオルディリージのNo.25アリアが典型例ですが、
単語を訥々と、とか、かみしめるように、とか、
いわば単語ごとに丁寧に表現してほしい時です。

逆に、「よくあるテンポ」に比べて速い時というのは、
フレーズをすっきりまとめてほしい時です。

この現象はどういうことかというと、
私が言葉に寄りかかった時は遅くなる傾向があり、
音符の処理に寄りかかった時は速くなる傾向がある、
ということを意味します。

・・と、まあこれを私の好き放題するとどうなるか、
その実験結果が、ロマンティックになる、なのです。
今のキャストでやってもそうなるのですが、
古楽畑の人ばかり集めたら、もっとそうなるんじゃないでしょうか。

2014/01/19 01:32 | bonchi | No Comments