それでは、第一回目の『アフリカで、食べて、考えた。』
まず、このコラムの舞台となるナイジェリアの最大都市ラゴスというところを軽く紹介しておくと、ラゴスは都市の名前でありつつナイジェリアのひとつの州の名前でもあります。「東京」が「東京都」を内包する用語であるのと同じで、漠然とした「ラゴス」という言葉は「ラゴス州」を内包します。また、ややこしいのは「ラゴス」は「ラゴス島」という島をも指すところ。
都市に島がある?
そうなんです。ちょっとイメージしにくいかも知れません。香港の地理をご存知の方は、「香港」という都市を表す言葉が「香港島」を指し、地理的に九龍半島や新界を内包することを頭にぼやっと思い描いてみてください。それに近いです。
広義のラゴスは「メインランド」と「ラゴス島」「ヴィクトリア島」の3つに分かれます。ちなみに、これは一番大雑把に類別した場合の分け方で、「メインランド」は州都のイケジャ、港湾地区のアパパ、スラムの様相を呈するヤバなど限りなく細分化できるし、また「ラゴス島」もイコイ島やビジネス街マリーナにブレークダウンできます。「ヴィクトリア島」もレッキ半島を含む解釈もあるので、上記の3分割が正当な分け方である根拠はどこにもありません。が、本コラムは便宜上楽なので「ラゴス」は「メインランド」「ラゴス島」「ヴィクトリア島」の3つに分かれるという定義の下で展開することとします。
それでは、第二回目より、レストランの紹介に入りたいと思います。
西アフリカの大国ナイジェリアの最大都市ラゴスに住んでいる天野淳と申します。ひょんなことから一芸ライターのひとりとしてJunkStageさんで連載をスタートすることになりました。連載コラム名は『アフリカで、食べて、考えた。』。連載に至った経緯をちょこっと紹介したいと思います。
去年の9月からここラゴスに駐在しはじめ、早4ヶ月。日本と比べ、すべてが刺激的なここアフリカでは毎日強烈な体験ができます。特にナイジェリアのラゴスはアフリカを代表するコスモポリタンシティーであり、小さな人種の坩堝。日本では決して経験することの出来ない“まさか”がこの国には満ちています。ここで感じる猥雑や喧騒を「ある視点」から出来るだけ新鮮な状態お届け出来れば、と思います。
僕はその「ある視点」を「食」に置きたいと考えています。元々、備忘録として、そしてラゴスを隅から隅まで知り尽くすための手段として、「勝手にナイジェリアミシュラン」(http://nigerianmichelin.blogspot.com/)というブログを続けていました。というか今でも続けています。これはラゴス中に点在する様々なジャンルの飲食店を日本語でレビューし、ラゴスという都市、ナイジェリアという国、そしてアフリカという大陸を日本のひとびとに少しでも身近に感じて欲しいという思いからはじめたブログです。
先進国のひとびとの頭のなかでは、アフリカ=飢餓・貧困という構図が浮かびがち。確かにそれは事実であれ、一方で、アジアに次ぐマーケットに成長する、と叫ばれ続けているこの大地では目覚ましい発展が見受けられるのも紛れもない事実。
一体、アフリカって何なの?そんな疑問に「食」の観点から切り込む考察をJunkStageさんの連載コラム『アフリカで、食べて、考えた。』で展開したいと思います。生きる上で誰しもが無関係ではいられない「食」を通し、出来るだけ親しみやすいスタンスを提供できるように頑張ります。
それでは、第一回の記事をお楽しみに!