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12月中旬に歌劇の本番を終演しました。
私はデビュー当初から舞台に乗るたびに自信がなくなる性格で今回もまたそんな状態でした。
現場に入ると、新人であることも経験値も関係なく技術のみで判断される世界だということを痛感するからです。
今年は11月、12月と特にそう感じる舞台のお仕事が多かったです。
そして、12月中旬の歌劇ジャンニスキッキの本番でいただいた役は、初めての人間の大人の名前があるソリストでした。
今まではソリストといえど、役名にⅠ.Ⅱ.Ⅲがついているようなアンサンブルの役だったので個人が一つではなくアンサンブルで一つの役。
今回は交じりっけなしに個人が個人。
ただ、親族の一人という役割のため親族全員が一体になるのはいつも通り。
しかし、それでも思い入れが強い役となりました。
今回は、終演後に初めてご一緒させていただいたマエストロから厳しいお言葉をいただいてしまいました。
「君は今まで、あんまりいい歌い手の中で歌ってきてないね?」
「朗読もアクセントがおかしいし、歌だって…君より上手な人はたくさん知っている。だから、歌い手じゃなくて演出の世界にまわったほうがいいんじゃない?」
私の素性を知っているわけではないので、稽古中から舞台姿を見てのお言葉だととりました。
ようするに、私は歌えていないのだと。
「入って間もない世界で、これから積み上げていくつもりですのでまだまだプレイヤーとしてやっていきます。」と生意気にも言ってしまったのですが。
歌が十分に歌えない、基礎もできていないのに舞台に立つな…と自分でも思うことはありますが、いただいた舞台は「ここで歌うことを許されたのだ」とありがたく受けることを決めています。
来年度は山籠りのつもりで、基礎を強化していき、いただく本番も不安や終演後の自己嫌悪に陥らないほどの余裕をもてるようになりたいです。