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2013/11/11

本日は関西二期会の魔笛を観に行って参りました。
まずは皆様、お疲れ様でございました。

実は、7年前にあった前回の魔笛が、
私の最後の関西二期会本公演出演でした。

昨日も含め、今回の出演者には、
ほわっとでご一緒している方がいますが、
中には昨年9月にほわっと魔笛で
ご一緒した方が2人、本公演デビューされていて、
それが私の最後の本公演出演となった魔笛の、
次の魔笛でデビュー、というのも奇しきお話というか、
色んな意味で嬉しい話であります。

演出が不思議な面白さで、
1幕は色々変わった物体が出てきます。
床の区切り方がどう見ても畳だったり、
障子が出てきたり、と
モノは出てくるのですけども、
もし、モノを取り除けたら普通の魔笛と変わりはない。
正直、このまま続けられたらしんどいな、と思ってました。

ところが、2幕からが断然面白くなりました。
私が面白いと思うツボは、
人間を動かし始めた時なのです。

まあ、まずは2幕冒頭の男声合唱諸氏、
腹筋お疲れ様でございました。(笑)

20番アリアのアイデアはなかなか秀逸だと思いましたね。
オルゴールを鳴らしているパパゲーノの周囲を、
ソリストたちが取り巻いているのだけれども、
彼らはからくり人形のように動き、回転している。
しかし、パパゲーノが触れると、ぜんまいが切れたように止まる。

その他、色々と不思議なところがあったのですが、
それらを見ていると、演出家の世界観が見えてくるのです。
言葉では上手く説明できないけれども、
それは、日本とドイツの云々、という表面的なことではなく、
こういう人が、こうしたら、こうなるのね、みたいな、
人生観ともいうべきものです。

キャスト個々人のことに関しては、
ここでは触れないことにしておきましょう。
多少辛口な意見でも聞きたい、という人がいれば、
みんなの目に触れる場所でもよければ、このコメントでも、
個人的に、というならばメールでもメッセージでも、
お受けすることに致します。
ここで一方的に指摘すると、喧嘩になりかねませんから。

しかし、ブラボーは、叫びはしませんが、たくさん言いました。
ただし、演奏者にではなく、モーツァルトに。
熟知しているオペラといえども、
客観的に聴いていると、やはり素晴らしいと思う瞬間が
しばしば訪れるものです。
魔笛では初めてでしたけど、やはり泣いてしまうことも。

フィガロ同様、魔笛にも様々な思い出が詰まっています。
直近の魔笛であった昨年9月の魔笛にも、
今に繋がる思い出があるものです。
そして、あの時やり過ぎてしまった魔笛を、
再構築したい、という想いがあります。
今度は、モーツァルトが新しいフリーメーソン支部を作ろう、
という計画を立てて頓挫しているのですが、
その夢を実現するような構想で、と考えています。
まだ、構想の初期段階ですが、
今度は、モーツァルトに寄り添って作りたいな、と。

ヴォルフガング、本当にありがとう。
君以上に、私の人生を彩り、豊かにしてくれた作曲家はいないよ。
節目節目に、そして節目でない時でも、
いつでも君の音楽がそこにあった。
この恩返しはコジでさせてほしい。
命懸けでコジを作るよ。

2013/11/11 12:58 | bonchi | No Comments