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ジミー・スコット・ストーリー
Jimmy Scott: If You Only Knew (2002) @IMDB
Independent Lens (TV series documentary)
Original Air Date:22 July 2004 @PBS
カルマン症候群という遺伝性の成熟障害の結果、思春期の手前で成長がとまったジャズボーカリスト、ジミー・スコット。1925年7月17日オハイオ州クリーブランド生まれ。このドキュメンタリーの映像は2000年11月頃のマンハッタンから始まります。ジミー・スコットが飛行機に乗り、降り立つ先は東京…。
アメリカPBSのIndependent Lensというドキュメンタリーシリーズの1本として放送された作品です。監督のマシュー・バゼル自身がジミー・スコットの大ファンで、彼の記録を撮りたかった事が、この作品の出発点だったようです。70代(撮影当時)とは思えない力強い歌声。しっとりした空気を伝えてくれます。
彼の半生を振り返るドキュメンタリー作品としても興味深く、同時に彼の歌声もかなり楽しめます。オーディオコメンタリーも凝っていて、マシュー・バゼル監督自身が中心になって、本作の製作について語られていきますが、本編の曲の邪魔にならないようにコメントが乗っていて、実質的にコメンタリー版と本編と、両方が「作品」として楽しめるスタイルになっています。そしてコメンタリーの最後でも監督はこんな感じの事を言います。「僕もこれで前の自分に戻ります。ジミー・スコットの1ファンに。」この謙虚なスタンスが見事に作品になっているドキュメンタリーです。
字幕は本編、コメンタリーそれぞれが800枚くらい。ジミー・スコットはゆっくり話すので、字幕もゆったり。監督のコメンタリーもゆったり、もちろん曲もゆったりしていて、いわゆる大人の時間を愉しむような作品です。
PBS(Public Broadcasting Service)というテレビ局についても書きたい事が色々ありますが、ここでは省略。知らない人は調べてみると面白いです。良質なドキュメンタリーをたくさん作っている局です。