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2013/09/13

地球の舳先から vol.288
キューバ編 vol.4

30時間近い移動時間で疲れていたのにもかかわらず、
どうも東回りが合わない体質で2時間ほどしか眠れなかった。
この日は、観光。
東京タワーの近くに住んでいたら東京タワーに上ったりしようと
思わないのと同じか、10年前も観光はほとんどしなかった。

ハバナの市街中心部は、海岸線沿いにビエハ(旧市街)、セントロ(中央部)、ベダード(新市街)と中心部が大きく3つのブロックに分かれている。
ビエハには博物館や大型ホテルが立ち並び、コロニアルな
宮殿調の古い建物が続くいわゆる一大観光地。
ベダードは高級住宅街や高級ホテル、大使館、ハバナ大学などがあり、
その中間地点に、住宅街と生活の場であるセントロ地区がある。
だいたい、留学生はベダード地区のそれなり以上の家に下宿をとって、
ビエハへ行くことは(観光以外の用途がなく)あまりなかったりする。
しかし誰しもが一度は通る道。目印もわかりやすく、大通りも決まっていて歩きやすい。


名物の対岸の要塞を眺め…


釣りをしている人に戦利品の魚を自慢され…


政府系の施設の壁には、国民的人気のある革命家3名


ホワイトハウスを真似て作った(勿論国交断絶する前)というカピトリオは旧国会議事堂


(ある意味での)スーパーカーを眺めていたら「写真を撮れ」と何十ポーズも要求され


土産物屋の主役は、いまでもチェ・ゲバラ


昼時になれば広場には歌い手と楽器の演奏者たちが集いカーニバルが始まる


相変わらず、子どもの多い国で(80歳でも恋愛は現役)


50年代のポンコツのアメ車に溢れ


革命博物館にもはじめて行った(イラストの4人が、キューバの4大外敵らしい…苦笑)


フィデル・カストロらが上陸した船「グランマ号」が展示してあるが
(写真中央のガラスケースの中)、外気との温度差による大量の水滴でまるで見えない

…。

10年という歳月は、実はたいした時間ではないのかもしれない。
そう思うほどに、ぜんぜん変わっていなかった。
時間が止まっているようで、少し驚く。

変わったことといえば…


革命広場(社会主義らしく、大きな町には国民が集う大広場がかならずある。
この革命広場には何万人もが集まる)のオブジェが、チェ・ゲバラだけだったのが
国民に人気のカミーロ・シエンフエゴスのものも追加になっていたことと


実質、石油の優遇でキューバ国家を支えているベネズエラの国旗と
チャべス大統領の写真がそこかしこに溢れていたことだった
チャべスが死んだいま、キューバがどうなっていくのかわからないが
ソ連という後ろ盾を失ってベネズエラに頼ったキューバの逞しさは、そう簡単にかわらないだろう

「10年ひと昔」という言葉は、日本語なのかもしれない、と思った。
生きる国が違えば、体感のスピードも違う。

2013/09/13 08:00 | yuu | No Comments